2025年に入り、仮想通貨関連の投資案件が減少し、今年に入って最低水準となったことがわかった。アナリストらは、マーケット固有の要因とマクロ経済的要因の両方が、ベンチャーキャピタル(VC)活動の低迷を招いていると指摘している。

仮想通貨分析プラットフォームのルートデータによると、5月に成立した資金調達ラウンドは62件にとどまり、これは2021年1月以来の低水準となった。

ただし、調達件数は減少したものの、5月に集まった資金は9億900万ドルを超え、今年の中では3月の78件・28億9000万ドルに次ぐ2番目の多さとなった。

ナンセンの仮想通貨インテリジェンスプラットフォームで主席リサーチアナリストを務めるオーレリー・バルテール氏は、「市場価格とセンチメントの両方が1月末にピークをつけ、4月に一度回復した後、5月23日以降は関税をめぐる言説の悪化でレンジ相場に入っていることが要因」と説明している。

Crypto fundraising trends, monthly chart. Source: Rootdata

セントラの貸付部門責任者で元投資銀行家のパトリック・ホイサー氏は、「高止まりする政策金利、神経質な債券市場、新たな関税報道といった厳しいマクロ環境がリスク資産の新規M&A取引成立を難しくしている」と述べた。

「現在見られる取引の多くは、統合目的の案件だ。こうした動きは相場が冷え込んだ時期やレンジ相場が長引いた後によく見られる」

ホイサー氏はさらに、ほとんどの仮想通貨資産の年初来パフォーマンスが振るわなかったことも投資家の関心低下につながったと述べた。一方でビットコイン(BTC)だけは「数少ない明るい材料」として注目されているという。

M&Aは堅調

VC案件が減少する一方で、合併・買収(M&A)案件は堅調さを維持している。コインベース・グローバルは、5月8日にデリビットを29億ドルで買収したと発表した。

ナンセンのバルテール氏は「大規模な取引は依然として伝統的な流動的チャネルで進行している」と述べ、仮想通貨規制が明確化すれば、「VC市場から離れた企業間やプロトコル間の直接取引が増えるだろう」と指摘した。

ルートデータが集計したデータをブロックワークスが引用したところによると、この29億ドルは仮想通貨M&Aとして過去最高額となった。

Crypto M&As, monthly. Source: Rootdata, Blockworks

レッドストーン共同創業者兼COOのマルチン・カジミエルチャク氏によると、VC案件の減少には「季節的な要因」も関係している可能性があるという。

「マクロ経済要因も確かに影響しているが、例年通り第4四半期序盤にかけて活動が再び活発になると予想している。例年、この時期は投資家が夏休みから戻り、最良の案件が成立する時期だ」と同氏はコインテレグラフに語った。

bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】

仮想通貨取引所ビットゲット(Bitget) が当選率100%の初夏抽選会&新規限定キャンペーンを開催!沖縄旅行、2000USDT、Laligaグッズ、20,000円のボーナス獲得のチャンス【PR】