欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ロシアの個人や企業が制裁を回避するために仮想通貨を使用しているという警告を再び行っている。

22日の国際決済銀行のイノベーションサミットで、ラガルド氏は「ステーブルコインや仮想通貨のルーブルの取引高は、2021年以来で最も高いレベルにある」と指摘していた。

ラガルド氏は、ロシアの個人と企業が仮想通貨に目を向けていると述べ、仮想通貨が「制裁を回避しようとする方法として使用されている」とも付け加えた。

「仮想通貨は脅威か?イエス。それは過去に脅威だったか?イエス。行われている疑わしい取引の多くを見ると、多くの犯罪活動の支払が行われている場所であり、非常に頻繁に暗号資産を見ることがある」と述べている。

ただし、チェイナリシスのデータによると、3月18日の時点でルーブル建の仮想通貨の1日あたりの取引高はわずか740万ドルであり、3月7日のピークだった7000万ドルから急減している。

この金額は世界の仮想通貨市場の総額の中では極わずかなものだ。一般的にビットコインの1日の総取引額は200億ドルから400億ドルの間で変動している。

ブロックチェーン協会のジェイク・チャビンスキー氏は、ロシアが西側の制裁を回避する方法として暗号資産を利用する可能性は低いと述べている

Ruble-denominated trading volume across all crypto exchanges. Source: Bloomberg

仮想通貨分析企業Kaikoのデータによると、USDTでのルーブルの取引高が3月7日のピークの3800万ドルから3月22日には500万ドル以下にまで減少している。ウクライナ戦争に至るまで取引高は急増していったが、その後、取引高は2月上旬の水準にまで戻っている。