米サンフランシスコを拠点とする仮想通貨取引所クラーケンは、コインベースを後を追って上場するかどうかはまだはっきりとしていないが、少なくとも特別買収目的会社(SPAC)を使う可能性はないようだ。
クラーケンは、コインテレグラフへの書面による回答の中で、同社が米国で株式公開することを決定した場合、直接上場を追求すると述べている。これは17日にFox Businessのチャールズ・ガスパリノ氏がツイートで、クラーケンは「おそらくSPACまたはIPOを通じて公開すること」を検討していると主張したことを受けたものだ。
「クラーケンが公開することを決定した場合、私たちはSPACではなく直接上場によって公開する。SPACのルートを行くには私たちは大きすぎるからだ」と、クラーケンはコインテレグラフに述べている。
「クラーケンは今年中に株式公開を求める予定はないが、来年には公開することを検討するかもしれない。現時点では何も決定は下されていない」
特別買収目的会社(SPAC)は、クラーケンのような非上場企業を買収するための企業のことであり、従来の新規株式公開(IPO)を迂回するための方法として考えられている。仮想通貨関連では、資産取引プラットフォームのeToro(イートロ)が16日にSPACを通じて上場すると表明した。
一方、米大手取引所コインベースは、IPOを通じて株式公開を目指す意向だ。同社は既に米証券取引委員会(SEC)に申請を出しており、評価額は最大1000億ドルであるといわれている。
一部の推定ではクラーケンの評価額は100億ドルといわれているが、クラーケンの広報担当者は、その数字は「私たちにとっては低い評価額だ」と述べている。ちなみSPACを使う予定であるイートロは、100億ドルの評価額になる。
現在、米国を拠点とする仮想通貨取引所は株式上場されていないが、ウィンクルボス兄弟が創業したジェミナイについても、上場をほのめかす発言をしている。