ロシアとの戦争が続く中、ウクライナ政府が立ち上げた仮想通貨プラットフォームに寄せられた資金を使い、政府職員が軍需品を購入している。

ウクライナのデジタル変革大臣であるミハイロ・フェドロフ氏は、13日のツイートで全地形対応車(ATV)5台を購入したと明かし、「困難な状況で重宝するだろう」と述べている。「困難な状況」とは、前線付近の戦況や道路が破壊・損傷している場合を指しているとみられる。車両のうち3台は「Aid for Ukraine」の資金で賄われた。これはウクライナ政府が3月に立ち上げたプラットフォームで、「自由のために戦う人々を支援するために」仮想通貨の寄付を募っている。

本記事の掲載時点で、Aid for Ukraineにはビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)、テザー(USDT)、ポルカドット(DOT)、ソラナ(SOL)、USDコイン(USDC)など計6000万ドル以上が集まっているという。フェドロフ氏は11日、政府がこの資金を使って5000個のガスマスクをすでに州防衛隊と軍に送ったと述べた。また、開戦以降、5000台以上の軍用「光学・赤外線画像機器」がAid for Ukrainで賄われたほか、国外へ逃れた人々が泊まるところや支援を探すためのタブレットPCや防弾チョッキ、医療品、車両、衣服も購入されている

ロシア軍が2月に軍事侵攻を開始して以降、ウクライナ政府は関係者からの資金を受け取る手段として仮想通貨の空間を何度も活用してきた。フェドロフ大臣は4月に、政府がノンファンジブルトークン(NFT)の形で戦費を募ると発表した。NFTは「ウクライナの勝利を助けるため」に売却されるという。また最近では、ウクライナのテレビゲーム開発者やデジタルアーティストの作品を集めたチャリティのNFTコレクションも立ち上げた