ビットコインSVの中心人物で、CoinGeekの創業者であるカルヴィン・エアー氏によれば、自称サトシ・ナカモトであるクレイグ・ライト氏が話題となっている2009年採掘のビットコイン(BTC)を移動させたことを否定した。
5月21日に2009年以来冬眠状態だった50BTCがアドレスから移動した。このBTCは2009年のビットコインメインネット立ち上げから、わずか1ヶ月後に採掘されたコインであり、ネットではサトシ・ナカモトが動かしたのではないかとの声も出ていた。
エアー氏は、ブロックストリームのアダム・バック氏のツイートに対する返信で、移動された50BTCはライト氏とは何の関係もないと語った。
「それはサトシではなかった。私はちょうど彼と話したが、クレイグは自分ではないと説明した」
法廷での偽証?
ただし、今回BTCを移動させた問題のアドレスは、ライト氏が自身のビットコインアドレスであると裁判所に提出した文書の中に含まれていたアドレスの1つだった。
今回の件は、ライト氏を困難な立場に追い込むことになりそうだ。
ライト氏は法廷でアドレスへの秘密鍵へのアクセス権を持っていないと主張しており、50BTCを移動させたとなった場合には、問題が発生する。しかし、ほかの誰かがコインを動かした場合、アドレスが彼のものではないことを示し、法廷で偽証したことになってしまう。
エアー氏がツイートした内容が事実ならば、進行中の裁判に深刻な影響を与える可能性がある。既に裁判ではライト氏の証言の信ぴょう性に疑問符が浮上しているからだ。
ビットコインは5%の下落
今回の11年ぶりの50BTC移動が発覚した後、ビットコインの価格は9700ドルから9400ドルまで約5%下落した。
BTCの価格は最大5%下落
ビットコイン価格の下落の背景には、クレイグ・ライト氏によるビットコインの大量売却への懸念が背景にあるとみられる。2018年、ライト氏はSlackに不吉な警告を投稿しており、ビットコインの半減期に「大量のBTC」を売却する方法を詳しく説明していた。
ライト氏が今回のBTC移動の張本人ではないとなれば、ビットコインの大量売却への懸念は後退するはずだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン