主要仮想通貨コミュニティーにおける格差に関する最新データをコインメトリックスが2月19日に発表した。ビットコインの格差は他の主要仮想通貨に比べて是正されている傾向が浮き彫りになった。

ビットコイン 

当初ビットコインの供給量は2、3人の個人によって牛耳られていたが、段階的に数百万のアドレスに拡散。少なくともビットコイン総供給量の1000分の1以上を持つ大口アドレスの占める割合は、2011年2月は約33%だったが、2020年2月は約11%まで減少した。

(出典:CoinMetrics「ビットコインの供給量分布」)

対照的に100万分の1以下の小口アドレスの数は2011年より増加傾向にある。

イーサリアム

イーサ(ETH)もビットコイン同様に段階的に富が分散されてきている。

少なくとも供給量全体の1000分の1以上を持つ大口アドレスの数は、2016年7月に約60%だったが、2020年2月時点で約40%まで減少。ICO(イニシャルコインオファリング)バブルの崩壊などがきっかけになったと見られている。

(出典:CoinMetrics「イーサリアムの供給量分布」)

ただ40%という数字はビットコインに比較して大きく、富の分配がビットコインほど進んでいないことがわかる。

リップル(XRP)

XRPは、全供給量においてリップル社が保有する割合が大きい。少なくとも供給量の1000分の1を持つ大口アドレス数は全体の約85%となっている。

(出典:CoinMetrics「XRPの供給量分布」)

ビットコインキャッシュ 

ビットコインからハードフォクして誕生したビットコインキャッシュでは、一部のアドレスに富が集中している状況が続いている。ビットコインからハードフォークした2017年8月、ビットコインキャッシュ供給量における約14%が少なくとも1000分の1を持つ大口アドレスによって占められていた。2020年2月時点で、1000分の1を持つ大口アドレスの割合は約29%に増加している。

(出典:CoinMetrics「ビットコインキャッシュの供給量分布」)

ライトコイン

少なくとも全体供給量の1000分の1を持つライトコイン(LTC)の大口アドレスの数は、依然として46%近くもある。

(出典:CoinMetrics「ライトコインの供給量分布」)

ライトコインの大口アドレス数は、とりわけ価格の変動に左右される傾向がある。

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