盛り上がるビットコイン半減期論争 コインメトリックスが新たな理論【仮想通貨相場】

2019年が終わりを迎えるにあたり、2020年最大の注目イベントであるビットコイン半減期に関する議論が高まっている。

ブロックを作成するマイナーに対する報酬が半減される半減期によって、需給の関係が変わることから、ビットコインの価格に対してポジティブと見るのが一般的だ。次回の半減期は推定で来年の5月。ただ最近は「すでに織り込まれている」や「デリバティブ市場が発達したから今回の影響はない」といった懐疑論も出てきている。

コインメトリックスは24日、ニュースレターの中で半減期肯定派と懐疑派の論点を整理し、新たな理論を提唱した。

(出典:CoinMetrics「ビットコインと半減期」)

上記のグラフは、過去2回にあった半減期とビットコインの価格の関係を示している。価格のローカルピークは半減期の1年半以内につけていることが分かる。

効率的市場仮説

半減期懐疑派が基づく理論は、効率的市場仮説(EMH)だ。半減期が起きると言う情報は全ての市場参加者に事前に知らされている情報であり、合理的な参加者はすでにその情報を織り込んで行動する。半減期の日にちも最終的な供給量も明らかになっている。だから、半減期によって価格が動くことがないという説だ。

半減期肯定派

これに対して半減期の肯定派は、全ての市場参加者が半減期の存在や半減期の重要性に気づいているわけではなく、半減期が近づくにつれて議論が高まると考えている。ただ、コインメトリックスは、この説が効率的市場仮説に反しているわけではないと指摘。たとえ全ての市場参加者が気づいていなくても、「十分な量の資本を持っている少数の市場参加者が情報を使って価格を動かせば事足りる」と解説した。

また、半減期の肯定派は、歴史的に半減期には価格が上がると言う経験的な証拠を持ち出す。

コインメトリックスの説

これに対してコインメトリックスは、懐疑派と肯定派の中間を取った新たな理論を展開。半減期の瞬間に価格が動くわけではなく、その点で「価格は織り込み済みだった」と考えられることから、効率的市場仮説は正しいことになると指摘。しかし、数ヶ月から数年という長期スパンでみると、半減期は価格に確かに影響を与えていると述べた。「新しい情報が明らかになったわけではないが、市場参加者がマイナーが率いる売り圧力の減少を理解することのほか、他のトレーダーによる行動を予想するゲーム理論的な作用が働くから」とみている。

たとえ半減期と価格の間に論理的な因果関係がなくても、ストーリー(そして他の人がこのストーリーに基づいて動くという信念)によって価格が上昇する。市場参加者が、同じことをする他の市場参加者に先駆けてポジションを取ろうとする」

ちなみにマイナーが率いる売り圧力の減少とは、マイナーが利益率を維持するための売り圧力が半減期後に大幅に減少するという考えだ。

今年のライトコイン半減期

コインメトリックスは、「他人のトレードを予期するゲーム理論的な動き」が今年のライトコインの半減期で見られたと指摘。ライトコインの価格は半減期の前の2019年1月から2019年7月まで350%上昇。主要仮想通貨の中で、バイナンスコインを除いて最高のリターンをあげた。

(出典:CoinMetrics「ライトコインと半減期」)

一方、半減期後はライトコイン価格は失速。コインメトリックスは、「ポジションを解こうとするトレーダーの行為が継続したこと」を理由にあげた。

効率的市場仮説を一部認めているものの、「他人の行動を予期したトレード」によって価格に対する影響があるとみるコインメトリックス。ただ、「半減期の歴史的な例が少ない」と指摘し、「半減期はすでに織り込まれているか」、「マイナーによる売り圧力の減少が影響を与えるか」に関する継続的な研究の必要性を訴えた。

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