米国の仮想通貨ヘッジファンド、パンテラキャピタルのパートナーであるポール・ヴェラディッタキット氏は、8日、ビットコインの半減期はもう織り込まれているという見方を示した。コインテレグラフ日本版の取材に答えた。

半減期では、ビットコインのブロックを作成するマイナーに対する報酬が、半減される。マイナーへの報酬は1ブロックあたり50BTCで始まり、これまで2回半減が行われた。次の半減期は来年の5月と推定されており、需給の関係が変わることから、ポジティブ材料とみるアナリストもいる。

パンテラのヴェラディッタキット氏にとって、次のビットコイン上昇のきっかけは半減期ではない。

イーサリアム開発者向けのイベントDevcon5に参加するために来日している同氏は、「安易に価格予測をしたくない」としつつも、ビットコインが次のレベルに到達するに必要なことを話した。

「機関投資家と一般投資家がポートフォリオの多様化をするためのインフラが整い、仮想通貨の使用が不可欠なアプリの実用性が証明されれば、自然に価格は上昇すると考えている。(中略)現在の価格は未だにさまざまな投機に基づいており、ユーティリティ(実用性)ではない。価格が次のレベルに到達するには、ユーティリティ面がもっと前に出てこなければならない」

同氏は、「次のレベル」に到達する時期は「来年の初めか中旬にかけてだろう」と述べた。

これまで仮想通貨業界で観察されたユーティリティーは、ビットコインのリスクヘッジのための資産としての機能だ。この点のみを持ってビットコインを「完成品」と呼ぶ専門家もいる

ただヴェラディッタキット氏は、今後のビットコイン相場について悲観的にみているわけではない。「時間がかかるもので、私は全く心配していない」と付け加えた。