ブロックチェーンセキュリティ企業のスローミスト(SlowMist)とオンチェーン調査員のZachXBT氏によれば、少なくとも5500万ドル(約81億円)が流出した仮想通貨取引所コインエックス(CoinEx)への攻撃は、北朝鮮のハッカーグループ「ラザルス」によって行われた。

ラザルスが最近のステーク(Stake)とオプティミズム(Optimism)でのハッキングで使用されたものと同じアドレスを誤って連携させたことで特定された。

9月12日、コインエックスは、過去の取引履歴がないアドレスに大量の資金が流出する事態に見舞われた。セキュリティ専門家はすぐに取引所がハッキングされたとの疑いを持ち、初期の損失見積もりは約2700万ドル(約39億円)に達した。記事執筆時点で、セキュリティ会社スローミストは、この不正流出からの損失が5500万ドルを超えていると指摘している

ハッキング後、コインエックス・グローバルはユーザーに対し、資産は安全で、不正流出による損失を全額補償すると約束した。さらに、セキュリティ強化のため一時的に入出金を停止した。取引所は引き続き状況を監視し、近い将来に事件に関する詳細な報告書を公表すると約束している。

ラザルスは、最近の仮想通貨ギャンブルサイト「ステーク」に対する4100万ドルのハッキングにも関与している。9月7日、米連邦捜査局(FBI)は、ステークへの攻撃は北朝鮮のラザルスグループによって行われたと結論付けた

コインエックス・グローバルへの最近の攻撃は、仮想通貨業界内の不正流出や詐欺による損失の増加に莫大な数字を追加することになる。9月1日、サイバーセキュリティ企業セルティックは、2023年8月時点で、今年1月からこれらの事件により約10億ドルが既に失われていると報告した。8月だけでも、悪意のある攻撃から約4500万ドルが奪われた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン