コインチェックは13日、2020年のサービス利用動向の詳細について公開した。ビットコインが300万円付近まで上昇した12月には、取引人数や取引高が2020年最大を記録した。

コインチェックの利用動向

コインチェックの利用動向をみると、2019年に比べて、2020年の販売所では会社員の利用が大きく増加していたという。コインチェックでは、新型コロナウィルスによるリモートワークの導入が進んだことで、仕事の合間の「スキマ時間」での投資が増加したとみている。

2021年も新規取扱い通貨拡大

コインチェックの蓮尾聡社長は、13日のメディア向けのラウンドテーブルで2021年の方針について語った。

2021年は新規取扱い通貨を引き続き増やし、「取り扱い通貨数ナンバー1は維持する」方針だ。こういった既存の顧客へのサービスを強化し続けると同時に、新しい試みも進めていく考えだ。イニシャル・エクスチェンジ・オファリング(IEO)による資金調達の試みや、ノンファンジブルトークン(NFT)向けマーケットプレイスを「しっかりとローンチさせ、販売所・取引所の外側にある、新しい世界を作っていきたい」と述べている。

「2020年はちょうど夜明け前で光が差してきた年だった。2021年はこれまで準備してきたものが、花開く1年になると思っている」

直近の新規口座開設数については「かなり件数が増えており」、月1万件を超える水準になっている。これは以前の2~3倍の水準になっているという。

具体的には、アプリダウンロード数は9月末の308万件だったのが、12月末時点では326万件。登録ユーザー数は12月末で225万件(9月末では215万件)に、口座数は103万件(9月末で99万件)となっている。

国内の機関投資家の動きはまだ

海外では米国を中心に機関投資家がビットコイン投資に参入し、これが今回の仮想通貨の強気相場を支えているとみられている。

コインチェックでも大口のOTC(店頭)取引サービスを展開しているが、蓮尾社長によれば、「国内では法人や機関投資家の動きはあまり見えていない」という。

コインチェックによる大口OTC取引サービスで企業による利用は「極めて少ない」。一部の非上場の事業法人が仮想通貨投資を始めている状況だという。会計上の問題など、企業が仮想通貨投資に参入するためにクリアするべき問題があるという。また日本では機関投資家向けの仮想通貨カストディのサービスも未整備であり、こういった枠組みも課題の1つだという。