米仮想通貨取引所コインベースの税務担当グローバル・バイスプレジデントであるローレンス・ズラトキン氏は、米国議会のインフラ法案に追加された仮想通貨条項について、議論されずに急遽挿入されたことを非難した。同氏によると「6000万人の米国人」に影響を与える重要な条項だという。

ズラトキン氏は21日、インフラ法案の仮想通貨条項を賞賛したブルームバーグの8月19日付論説記事を受けて、この法案に関する公開討論の機会が持たれていないことを批判した。同氏は米国人口の20%がデジタル資産に投資していることから、広く影響がある事態であると主張した。

「現在、約6000万人の米国人が仮想通貨を所有しており、これは米国人口の約5分の1にあたる。米国人、そして仮想通貨のエコシステム全体は、最後の最後に挿入された条項について、議論するべきだ」

ズラトキン氏は、法案に対する講抗議が、仮想通貨業界を超えて広がっていることを指摘。上院議員には「わずか数日」で約8万人からの連絡があるなど一般の人々からの激しい講義が出ていることを強調した。

ズラトキン氏は、法案に含まれるデジタル資産の「ブローカー」の定義が広すぎることを問題視。これにより、ネットワーク検証者やソフトウェア開発者に厳しい報告義務が課せられる可能性があり、現在の形では法案の義務を果たすことができないと主張した。

「ソフトウェア開発者、マイナー、ステーカーが不可能なことを法律が義務付ける限り、コンプライアンス違反で簡単に破産してしまうようなリスクを冒してまで、彼らに助言する弁護士はいないだろう」と苦言を呈した。

「このままではイノベーションが阻害され、開発の初期段階にある非常に重要な技術の可能性が失われてしまう。税制は熟慮されたものでなければならない。大規模な行き過ぎは規制上の誤りだ」