法律専門家によると、コインベースの無登録証券の取引疑惑について米証券取引委員会(SEC)が開始したとされる調査は、仮想通貨取引所やトークンプロジェクトに「深刻な影響や萎縮効果」を与える可能性がある。

デジタル資産を専門とする弁護士マイケル・バシナ氏はコインテレグラフに対し、最終的にトークンが「証券」と認定されるかどうかにかかわらず、取引所やプロジェクトに影響が生じる可能性があると話す。

「SECがインサイダー取引訴追で『証券』と呼んだトークンの多くがコインベースや他の取引所に上場し取引されていることを考えると、今回の調査は、最終的な結論がトークンが証券であるかないかに関わらず、それらの取引所とトークンプロジェクトの両方に深刻な影響と委縮効果を与える可能性がある」

月曜のブルームバーグの報道によると、コインベースは、証券として登録されるべき資産を米国の投資家に不適切に取引させたかどうかについて、SECの調査に直面しているという。

この報道では「この問題に詳しい」3人の人物の発言をもとに、この調査がSEC執行部によるものだと伝えており、インサイダー取引疑惑に関する捜査とは別物であるという。

バシナ氏は、調査の結果、コインベースが「非常に多額の罰金に直面する可能性がある」、あるいは米国で取引所として登録するよう求められる可能性があると指摘した。

ただし、「彼らがブロックチェーンシステムと既存の米国市場の規制の間に重要なコンプライアンスの非適合性を正しく認識していることを考えると、彼らの現在のビジネスモデルがライセンス登録された取引所として存在することは不可能ではないにせよ、困難かもしれない」とも指摘している。

「SECによるこの行動は、業界の積極的な関与を促すものと一致しないように思われる。コインベースが規制問題に関して誠実に関与してきた歴史があり、SECがトークン上場の基準を見直したことを示唆している」

バシナ氏は、目的に適合した規制を行うには、業界との協議、透明性、政策的配慮が必要であると指摘した。

「ブロックチェーンと仮想通貨がもたらすイノベーションを促進する最善の方法は、規制当局と業界との透明性のある関与と、明確なガイダンスを出すことだ」とも述べている。

「CFTC委員がこれを 『執行による規制』と呼んだのはもっともで、急速に成長・発展する業界に指針や明確性を与える理想的な方法とは言えない」とも述べている。

コインベースの反論

一方コインベースは、有価証券を上場したという指摘を否定し続けている。

コインベースの最高法務責任者であるポール・グレワル氏は7月25日、自身のツイッターのフォロワーに対し、プラットフォームから証券を排除する「厳格な審査プロセス」に「自信がある」と改めて表明した。

また、自身が執筆したコインベースは証券を上場していない」と題するブログ記事も共有した。

月曜日のSEC調査のニュースは、コインベース株価の下落につながり、NASDAQのデータによると、一晩で21%も急落した。

火曜日にキャッシー・ウッド氏が率いる投資会社アーク・インベストメント・マネジメントがコインベース株を売却すると決定。それにより、火曜日の終値に基づいて7500万ドル強に相当する140万株以上のコインベース(COIN)株が売却された。