米国の大手仮想通貨取引所コインベースは、ザポ(Xapo)の法人向け仮想通貨カストディ(保管)事業を5500万ドル(約58億円)で買収した。コインベースが15日にブログで発表した。コインベースは、今回の買収により「世界最大の仮想通貨カストディアン(保管業者)になった」としている。

ザポは香港拠点の企業で、仮想通貨カストディ事業やウォレットなどを手掛けている。同社はスイスのアルプス山中の地下シェルターで仮想通貨を保管している

コインベースのザポ買収については、今年5月に買収交渉中との報道が出ていた。報道では、ザポ買収を巡って米大手金融機関フィデリティとの間で競争していると報じられていた。

ビットコインの供給量の約4%を保管

コインベースの発表によれば、今回の買収によりカストディ業務での預かり資産額が70億ドル(約7430億円)にのぼるという。今年6月時点では「まもなく20億ドルの大台に到達する」と発表しており、今回の買収で50億ドル近く、預かり資産が増えたことになる。

フォーチュンの報道によれば、ザポのクライアントのほとんどは、資産をコインベースに移動させることに同意しており、これによりコインべ―スは51万4000BTCのビットコインを管理下に置くことになる。また残りの顧客も資産を移すことに同意すれば、コインベースは合計で86万BTCのビットコインを保管することになる。これはビットコインの総供給量の約4%にのぼる。

コインベースは発表の中で「今後は顧客に焦点を当てていく」とし、カストディに加え、ステーキングや仮想通貨の貸付、また仮想通貨を収益化していく新しい方法を模索していくとしている。

コインベースのアームストロングCEOは先月、今後5年以内に新たなサービスを投入していくと宣言しており、今回のカストディ事業買収で新サービス投入へ弾みをつけていくだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版