スイスの大手銀行UBSグループのセルジオ・エルモッティCEOは、ブロックチェーンの普及は長期的に見てほとんど「必然」であり「間違えなく絶好の機会」と考えていることを19日のCNBCとのインタビューの中で明かした。ブロックチェーンは銀行業界にとって脅威になるという見方もある中、大手銀行グループのトップが銀行が生き残るためにブロックチェーン技術の採用は避けられないと認めた。

 エルモッティCEOは、CNBCに対して「リソースの効率的な活用のためには技術発展が必要であり、ブロックチェーンはコスト削減を目指す上で素晴らしい方法だ」と発言。「我々の業界の粗利益は下がる一方で厳しい状況が続くのは間違いない」とした上で、次のように述べた。

「銀行業界が影響を持ち続けるために必要なことは、資本の強化や金融商品の充実、銀行員の質の向上、顧客への適切なアドバイスだけではなく、現状を正しく見極めることだ」

 ブロックチェーン技術によるコスト削減は、「明日」起きるものではないが5~10年後といった未来に起こり得るという見方を示し、「ブロックチェーンは過去10年ほどで金融機関に対して課せられた規制と同じくらい破壊的で極めて重要な存在になる」と発言した。

 一方、ビットコインに対しては同じような価値を認めておらず、必ずしも仮想通貨の信者ではないと述べた。

 UBS銀行は去年12月、バークレイズ銀行、クレディスイス、KBC銀行、スイス証券取引所、トムソンロイターズなどと組んでイーサリアムを使ったブロックチェーン関連のプラットフォームを推進すると発表。今年5月にUBSのアクセル・ウェーバー会長は、同銀行がビットコインやその他の仮想通貨での取引を顧客に提供することはないと発言した