テンセント・ホールディングスと中国政府の研究所が24日、共同で報告書を発表し、従来の金融サービスの変革にブロックチェーンが及ぼす影響を力説した。

 中国工業情報化部(MIIT)傘下の研究所である中国情報通信研究院とテンセント・ホールディングスが作成した報告書には、金融セクターにブロックチェーンを実装した場合の主な結論が8つ含まれている。

 報告書によれば、ブロックチェーン技術により「金融取引の透明性やシステム運営の柔軟性がさらに高まり、プロセスが自動化され、その結果、記録管理や会計処理、決済方法、金融サービスに影響が及ぶ」という。さらに以下のように記述されている。

「デジタル通貨に加えて、ブロックチェーンはその特徴により、決済やサプライチェーン・ファイナンス 証券取引、保険、信用報告の分野で大きな役割を果たすことができる」

 ブロックチェーンの適用にあたっては、「コイン」用途と「チェーン」用途を区別する必要があるとも述べられている。大部分の仮想通貨のブロックチェーン技術の基礎に言及していると思われ、以下のような記述がある。

「『コイン』用途については、財政的リスクを厳しく監視するべきだ。『チェーン』用途については、法的な規制を課すべきだ」

 今週、中国の大手通信会社3社が、「次世代の通信ネットワーク」構築のためにブロックチェーン研究グループを立ち上げた。また中国政府はモノのインターネット(IoT)およびブロックチェーン技術の標準化についても国際的な研究グループを主導していく構えだ。

 中国は国を挙げて、ブロックチェーン技術に取り組む姿勢を見せる一方で、中国の銀行保険監督管理委員会の国際部門の責任者が今月中旬、ブロックチェーン技術の「神話化」に対して警告を発している。