イーサリアム(ETH)の共同創設者であり、カルダノ(ADA)を開発したIOHK社の創業者であるチャールズ・ホスキンソン氏は、イーサリアムやEOSの開発アプローチを批判している。ビジネスニュースメディア、フォーチュンで4月9日に公開されたインタビューで同氏が所感を明らかにした。

インタビューでホスキンソン氏は、大半のプロトコルがそのコードをすべてオープンソースとして公開し、特許を取得していないことに言及。一方でカルダノや他の多くの仮想通貨開発チームが考え出したアイデアは、他の開発チームも利用できると説明した。ホスキンソン氏によると、カルダノのアプローチは、EOSの開発アプローチや、イーサリアムのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)アルゴリズム「キャスパー」の開発アプローチとは異なるものだという。

「このようなアプローチは、「孤独なサムライ」的視点を採り入れたEOSやイーサリアムのキャスパーなどの開発手法とは非常に対照的だ」

ホスキンソン氏は、ヴィタリック・ブテリン氏やダニエル・ラリマー氏といった強力なリーダーの存在や1つのエンジニアグループがイーサリアムやEOSの開発をするというアプローチは、結局何も達成していないと指摘。ホスキンソン氏は69年の実際の月面着陸を引き合いに出し、「たとえば、月に行く時、100万人以上がその巨大プロジェクトに関わっていた」と指摘する。

インタビューでは、ホスキンソン氏は同氏が仮想通貨業界におけるガバナンス危機として定義した件についても言及した。ホスキンソン氏は、ビットコイン(BTC)の開発には、たとえば、プライバシーの向上を目指したシュノア署名(Schnorr Signature)の導入や、取引スピード改善を狙ったより優れたサイドチェーンサポートの導入などについて、重要な判断を行っていく必要があると指摘した。

ただ、それらの導入は、多数の人々にとってビットコインの有用性の劇的向上につながると伝えられる一方、同時に、ビットコインの現在の有用性を損なう可能性がある形で、ビットコインシステムにさらなる複雑さとリスクをもたらす。ホスキンソン氏によると、この議論をどう解決するかは、いまだ不明だという。

仮想通貨のガバナンス問題については、特にEOSに関連があるようだ。 コインテレグラフが昨年10月に報じたとおり、EOSのノード(ブロックプロデューサー[BPs、ビットコインにおけるマイナーに相当]と呼ばれる)は、共謀して相互に投票数を分け合っていると報道され、仮想通貨コミュニティの反発を買っていた。

また、3月末、ホスキンソン氏は、仮想通貨業界は相互運用性を向上させることが必要だと述べ、仮想通貨業界にとっての”Wi-Fiやブルートゥース”が必要だと指摘していた。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 Charles Hoskinson Criticizes ETH, EOS's ‘Lone Samurai’ Development Approach