仮想通貨EOSの開発企業Block.Oneのブレンダン・ブラマーCEOが1日、EOSの投票システムをめぐる最近の「証拠のない主張」についてブログに声明文を掲載した。EOSの投票システムを使ったガバナンスをめぐっては大手仮想通貨取引所の影響力が大きく「金権的」だという批判が出ていた。
ブラマー氏は、「不規則なブロック生産に関して証拠のない主張がなされていることに気づいている」とした上で、EOSは「自由で民主的な投票プロセスを保証し(中略)、必要に応じて他の投票者と同じように投票して、プロセスの正当性を担保する」と述べた。
EOSは、ブロックチェーンを変更する際のルールなどがブロックチェーンのプロトコルにコード化されているオンチェーン・ガバナンスを採用していて、EOSトークンを使ってガバナンスを決めるノード21個の承認投票を行っている。
今回の声明は、仮想通貨取引所フォビの共謀が報じられた直後に出された。トラストノードは9月29日、フォビの従業員シ・フェイフェイ氏を名乗る人物がリークしたデータを引用し、フォビが他のブロックプロデューサー(BPs、ビットコインにおけるマイナーに相当)と共謀して相互に投票数を分け合っていると報道。フォビは見返りにEOSを受け取っていたという。中国メディアのCnLedgerによると、フォビはこの疑惑を否定したという。
The top 21 BPs in current EOS ranking, according to EOS Titan. Source: EOS Titan
A list of EOS BPs allegedly involved in mutual voting. Source: @MapleLeafCap
また、イーサリアムの共同設立者ヴィタリック・ブテリン氏は、先月半ばに行われたZcashとのインタビューの中で、仮想通貨EOSのオンチェーン・ガバナンスを批判。これまで最も投票数の多い代表者は仮想通貨取引所のビットフィネックスであるとし、「全てのコインの1.8%以上を保有することで代表者になり、年1%の利子を享受することができる」と指摘した。その上でブテリン氏は、「資本の分配という点で、コインを使った投票ガバナンスが失敗する例の一つだ」と述べていた。