米商品先物取引委員会(CFTC)のロスティン・ベナム委員長は、仮想通貨取引所バイナンスが商品および先物取引に関する米国法を意図的に無視して運営していたと公の場で発言した。

プリンストン大学で開催されたカンファレンスでベナム委員長は、バイナンスが仮想プライベートネットワーク(VPN)や他の隠蔽ツールを使って米国市民を取引所に参加させるなど、同国における仮想通貨取引所運営に関するルールを故意に無視していたと述べた

ベナム氏はイベントで「彼ら(同社幹部)は洗練された個人ではない。大企業として米国の顧客に(仮想通貨)先物取引やデリバティブを提供している」とのべた。「米国で先物契約を提供する場合、CFTCに登録し法律に従うことが明らかに必要だ」。

辛辣なコメントの背景にあるのは米商品先物取引委員会によるバイナンスとそのCEOであるチャンペン・ジャオ(CZ)氏への提訴だ。同委員会はバイナンスに対し、未登録の先物取引の提供、違法な商品の提供、先物委員会商人、指定契約市場、またはスワップ執行機関としての登録の不履行、監督の不履行、AML/KYC措置の実施不足、法律回避に関して7つの罪状を提起している。

CFTCの委員長がなぜ進行中の調査に関して公の場で発信したのかは現時点では明らかでない。一方、バイナンスは引き続きグローバルなコンプライアンスへの誠実な取り組みを主張している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン