国際決済銀行(BIS)の新しいレポートによると、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は世界中の国々がブロックチェーン技術を活用しようとしており、多くの国が「高度な段階」に入っている。

BISはCBDC開発に関する最新の調査の中で、世界人口の約5分の1をカバーする中央銀行が「今後3年間で汎用CBDC」を導入する予定であることを示している。

この23ページのレポートは、2020年後半に実施された60を超える中央銀行への調査がもとになっている。

レポートによると、世界の中央銀行の86%が積極的にCBDCを調査している。近い将来に多くの中央銀行がデジタル通貨を発行する可能性は低いものの、いくつかの中央銀行が前進させようとしている。

中央銀行が約60%がデジタル通貨を実験しており、14%がデジタル通貨開発やパイロットプログラムを進めている。

「CBDCへの関心は地域の状況によって形作られ続けている」と、レポートは言っている。「中央銀行が比較的強い動機を有している新興市場や発展途上市場では、金融包摂と決済の効率性という目標によって、汎用CBDCの作業を前進させている」と解説している。

「現在、ほとんどの中央銀行は何らかの方法でCBDCのケースを調査しており、全体として、調査は純粋に概念的な調査から実験、さらにパイロットプロジェクトへと移行をしていく。しかし、これらの開発にもかかわらず、CBDCの広範囲な展開はまだ少し遠いようだ」

このレポートと一緒に発表された声明の中で、BISの総支配人であるアグスティン・カルステンス氏は、CBDCは「適切に機能する支払の基礎として役立つ」ことができ、「適切な法執行」を伴う場合に限ると語った。匿名的なトークンは「飛ぶことはないだろう」とも言っている。

カルステン氏は、身元確認を伴わないCBDCはマネーロンダリングの懸念を高め、金融包摂の取り組みを台無しにし、国境を越えた不安定性につながるとも指摘した。

そして次のように続けている。

「適切に設計され、広く採用されれば、CBDCは特定のユースケースや市場の失敗に対処する補完的な支払手段になる可能性がある。CBDCは、支払、金融、商取引全般における継続的なイノベーションと競争の触媒として機能する可能性がある」

国際決済銀行は、「中央銀行のための中央銀行」とも呼ばれ、グローバルな金融安定のための取り組みを行っている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン