ケニア中央銀行は、デジタルシリングの発行に関するディスカッションペーパーに対するコメントを受け取ったが、まだ最終的な結論を出していない。

ケニアの中央銀行は6月2日の発表で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行に関して、一般市民や商業銀行、テクノロジー企業、その他の参加者から9カ国で100件以上のコメントが寄せられたと明らかにした。コメントの内容は、潜在的な利益やリスクを指摘するものが多かったが、ケニア中銀は「今後も動向を監視し」、「慎重なアプローチ」を取って、将来的にデジタルシリングの導入を検討するとした。

短期から中期的には、ケニアでのCBDCの実施が緊急性の高い優先事項ではないかもしれない」と、ケニア中銀は語った。「特に、ケニアの支払いにおける問題点は、既存のエコシステムを取り巻く他の革新的なソリューションによって、引き続き解決される可能性がある」。

この声明は、ケニア中央銀行が2022年2月に公表したディスカッションペーパーを受けたものだ。同銀行は、CBDCの実証実験に取り組む他の中央銀行と連携してきたと付け加えたが、「世界的にCBDCへの魅力が失われつつある」と指摘した。

アフリカ最大の経済大国の1つであるケニアは、過去数年間で仮想通貨とブロックチェーンの採用を大幅に拡大している。P2PプラットフォームのPaxfulは、アフリカのこの国で仮想通貨愛好家に広く利用されており、農村地域への電力供給を支援するビットコインのマイニングプロジェクトもある。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン