世界最大手の商用車・建設機械メーカーのひとつであるCNHインダストリアルが、ブロックチェーン技術を導入するためにIBMと「マルチレイヤーな合意」に達したと、26日にプレスリリースで発表した。
英国を拠点とするCNHインダストリアルは、トラック・商用車製造の「イベェコ」や、農業機械メーカーの「ケースIH」を含む国際企業12社を所有しており、「世界的な企業活動の見直しと最適化」の一環として社内手続きの向上を幅広く実現しようとしている。
プレスリリースでは「直接的に向上が及ぶ分野には、部品とサービス事業のサプライチェーンと在庫管理が含まれており、顧客ベースにより一層すばらしいサービスを提供できるようになるだろう」と説明している。
詳細はまだ不明だが、CNHインダストリアルはIBMのブロックチェーン技術を活用する予定だ。同技術は、IBMクラウドを介して配信されるハイパーレッジャーの技術をもとに構築された特注のプラットフォームで、世界中の企業で導入されている。
CNHインダストリアルは「今回の合意は、IBMのデータセンターと自社で運用するITインフラの運用を継続しつつ、IBMのプライベート・クラウド・プラットフォームを利用した大々的なクラウドの導入へと転換を図ることを示すものだ」と説明を加えた。
現在、サプライチェーンの向上は、様々な大企業の関心を特に集めており、ブロックチェーンがコスト削減やセキュリティ強化に重要な役割を果たすといわれている。1月に、IBMはデンマークの物流大手マースクと手を組んでブロックチェーンを活用したサプライチェーン専門の会社を立ち上げると発表した。