ビットコイン(BTC)のマイニング企業カナンが、収益と利益の低迷を受け、新たな資本調達を進めている。

11月28日に公開された2023年第3四半期の決算報告によると、同社は市場価格で1億4800万ドル(約217億円)の株式を売却する予定だ。また前日には、名前を明かしていない機関投資家との間で、1株1000ドルで最大12万5000株の優先株を発行し、合計1億2500万ドル(約183億円)の資金を調達する合意に達したと発表した。

2022年第3四半期と比較して、カナンの収益は55%減の3330万ドル(約48億円)に落ち込んだ。これはビットコインのマイニング量の減少とASICマイニングリグの販売数の低下が原因だ。同社はまた、前年同期の630万ドルの純利益から、1億1070万ドル(約162億円)の純損失に転じた。

カナンのナンゲン・チャン会長兼CEOは「全体的に価格競争が激化し、需要面での購買力が顕著に弱まったことが、私たちの販売に厳しい課題をもたらした」と述べた。同社は「業界全体の厳しい市場環境」のため、第4四半期の収益が第3四半期とほぼ変わらないと予想している。

電気料金の高騰とBTC価格の低下により、2022年には複数のビットコインマイナーが破産を申請し、ビットコインASICマイニングリグの販売に混乱をきたした。しかし、インフレの緩和とビットコイン価格の回復により、今年は市場状況が改善している。11月13日には、ビットコインマイナーがブロック報酬と取引手数料で4400万ドルを稼ぎ出し、これは史上最高額になった。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン