中央銀行デジタル通貨(CBDC)を巡る世界的な競争の中で、カンボジアは「バコン」と呼ばれるデジタルマネー取引のためのブロックチェーンベースのプラットフォームを正式に立ち上げた。
「銀行やマイクロフィナンス機関を通じた支払・送金サービスであるバコンは、カンボジア国立銀行が主導して立ち上げられた」と、10月28日にDap-Newsの記事は伝えている。カンボジアの中央銀行は、このプロジェクトを巡り、多くの組織と協力している。
バコンは最初、2019年10月にカンボジアの金融大手PRASACの関与を確保した。2020年1月、カンボジアの中央銀行は、このデジタル決済システムが間もなく正式に運用される予定であると発表していた。
「バコンは、顧客が銀行間取引を行い、支払を簡単、迅速、安全、そして無料で行えるようにする、新しくて最新の支払ツールだ」と、PRASACのエクゼクティブ・バイスプレジデントは述べている。
プノンペンポストの報道によれば、カンボジア国立銀行のチー・セリー氏は「本日、バコンシステムが正式に開始されたことで、社会福祉を増進し、人から人へのシームレスな電子決済が可能になり、COVID-19の感染拡大を防ぐことになることを期待したい」と述べた。
「オンラインでの支払は、バコンシステムを介して行うこともできる。バコンシステムはまた、預金、引き出し、電子ウォレットでの送受金などの選択肢も提供する」と、プノンペンポストは解説している。
しかし、プノンペンポストの記事は、カンボジア当局者の次のような言葉も伝えている。
「国内外で高まる懸念に応えて、セリー氏はバコンは中央銀行デジタル通貨ではないことを強調した」
ニュースでは、CBDCであるかどうかについて明確にしていないが、このようなシステムを巡る競争は世界各国で激しくなっている。
中国はデジタル人民元導入に向けたパイロットを国内で実施しており、最近ではデジタル通貨導入に向けた中国人民銀行法の改正案を発表している。
また今月後半には、バハマが世界で最初の中央銀行デジタル通貨となる「サンドダラー」の運用を開始している。