仮想通貨取引所バイビットがデジタルルピー決済を開始した。インドの中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入により、ルピー利用者のセキュリティが向上するとバイビットは考えている。
デジタルルピーはウォレットベースの決済ソリューションとして利用可能となる。これにより、バイビットの既存のルピー決済オプションである銀行振込、Paytmなどのサードパーティサービス、インド準備銀行(RBI)の全国決済ポータルである統一決済インターフェース(UPI)に加わることになる。
デジタルルピーを導入
デジタルルピーの導入により、利用者は「銀行口座がサイバー犯罪者に狙われるリスクを軽減できる」と、ドバイに拠点を置くバイビットは声明で述べている。
バイビットの営業・マーケティングディレクターであるジョアン・ハン氏は「eルピー決済の導入により、バイビットはインドルピー(INR)利用者の決済体験を向上させ、信頼性を高めることを目指している。さらに、この取り組みにより、より多くの事業者がプラットフォームに集まることが期待される」と語った。
現在、バイビットではデジタルルピーがピアツーピアの仮想通貨取引に使用されている。インドのCBDCはパイロットプロジェクトであり、リテール用デジタルルピーは2022年12月にホールセール用バージョンのデビュー直後に開始された。

デジタルルピーの普及問題
仮想通貨取引所の決済手段としてデジタルルピーのようなCBDCが導入されたことは注目に値する。
銀行や小売業者がリテール用デジタルルピーを普及させようとする努力にもかかわらず、その使用はこれまでのところ芳しくない。6月時点で、リテール用eルピーの利用者は500万人に留まっている。RBIは、インターネットアクセスが限られた地域での利用を増やすために、デジタルルピーにオフライン機能を追加する計画を立てている。
今年、デジタルルピーにプログラム機能が追加された。プログラム可能なデジタルルピーの初めての使用は、4月にインダスインド銀行による農家への炭素クレジットの払い戻しとして使われた。それにもかかわらず、ホールセール用デジタルルピーの使用は限られており、「使いにくい」と批判されている。