金と仮想通貨は、これまでは相反するものと考えられてきた。しかしこのプロジェクトは両方に投資できる機会を提供することを目指す。

多くの投資家は、金と仮想通貨の関係を「水と油」だと考えてきた。しかしこの新たなプロジェクトが、両方の資産に同時に投資することを可能にする。

AABBGは金に完全担保されるトークンであり、資産価値が貴金属の最新の現物価格にペッグされることを保証する。

このトークンをデジタル資産を安全に保管することができるウォレットと連携することで、ユーザーは友人や家族、企業への送金が簡単にできるようになる。

Core State Holdings, Corp (CSHC) と共同で開発されたこのプロジェクトは、匿名性を最重要事項としている。その結果、サードパーティの目に触れることなくすべての取引が行われ、パスフレーズやPINコードでの保護によってもセキュリティがより強化されている。

さらにAABBGは、このインフラを通じて仮想通貨をEメールやSMS、Facebookのメッセンジャー、WhatsAppで送金することも可能だ。デジタル資産を多くの人々に利用してもらうためには、ユーザーがよく知っている方法でユーザーエクスペリエンスを提供することは非常に重要となる。

ユースケース

AABBG関係者によると、金は長い間、特に経済が不安定な時期は手堅い投資手段として考えられてきた。仮想通貨がボラティリティに左右される際にも同じことがあてはまる。

金を担保にする仮想通貨を魅力的にする要素は他にもある。現在世界各国では、高いレベルのインフレに対する対応を迫られ、一部ではコロナウィルスの世界的大流行の対応策として大量の紙幣の増刷まで行っている。

金利の低さが理由で消費力が徐々になくなっていく銀行口座と比較すると、金は個人の資産の価値を損なうことがなく、インフレに対するヘッジとして安定した信頼を維持している。

AABBGは、Asia Broadband, Inc(OTC:AABB)によって開発された。Asia Broadband, Incは、主に貴金属や卑金属の生産、供給、販売を取扱う会社であり、現在は主にアジア市場を拠点とする。 

現在、特に金を信頼するアナリストは少なからずいる。アメリカの投資銀行は、トロイオンスあたり2,300~2,400ドルまでの改善を見込めるだろうと自信を見せる(本執筆時で1,823ドル)。AABBGは、通常の仮想通貨トークンが持つ移動性・交換性、セキュリティや透明性を提供しながら、そのボラティリティを解消することを目指す。

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金 vs 仮想通貨

金と仮想通貨に関する論争には、どちらの側にも熱い思いがある。貴金属は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のようなデジタル資産と比較すると、最近はあまり勢いがないと言うユーザーもいる。しかし金擁護者は、金の高い評価は数百年続いているが、仮想通貨はまだその登場から10年しか経っていないと反論する。

全体のポートフォリオのうち、仮想通貨への割り当ては5%程度にとどめるべきだと強調する専門家もいる。価格が上昇したら利益を得ることができるが、価格が下落したとしてもポジションに対する影響は最小限に押さえることができる。

AABBGのようなトークンを導入することで、「同時にふたつのことをする」アプローチが可能となる。つまり、投資家はインフラのヘッジ手段としてのアセットに手持ちの大部分を捧げることができ、ボラティリティを気にすることもない。 

昨年1月には、Asia Broadbandは大量の金塊を取引するために採掘事業を売却し、8,200万ドルを調達した。これは、AABBGトークンを100%担保するために使用されている。

この先12ヶ月の計画によると、Asia Broadbandはエルサルバドルにサテライトオフィスを開設する予定だ。ビットコインを法定通貨として定め、アメリカドルと同じ地位までにしたエルサルバドルで存在感を示したい意向だ。法定通貨と暗号資産が接近するにつれ、仮想通貨とコモディティの距離も近づいていると言えるだろう。

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