英国の金融行為規制機構(FCA)は、認可されていない企業の警告リストに仮想通貨取引所ポロニエックスを追加した。セーシェルに拠点を置くこの取引所は、仮想通貨起業家のジャスティン・サン氏が所有または関連する企業の1つだ。ポロニエックスなどサン氏所有の企業は、過去2か月間に合計4回のハッキング被害に遭っている。
ポロニエックスへの警告は12月6日にFCAのウェブサイトで公開された。理由は明らかにされていないが、「企業や個人は、必要な認可や承認なしに英国で金融サービスを宣伝することはできない」としている。FCAはまた、未認可の事業者と取引する際には金融法の保護を期待できないと警告している。
2020年以降、FCAは仮想通貨企業から291件の登録申請を受けたが、そのうち承認したのはわずか38件であることを今年8月に明らかにした。これは約13%に相当する。
10月には、HTXやクーコインを含む140の仮想通貨企業が警告リストに加えられた。それ以来、規制当局が認可したのはペイパルUKのみだ。
ポロニエックスは11月10日に1億ドルのハッキング被害に遭った。同社によると、プラットフォームは「ほぼ完全に」復旧作業を終え、11月末には出金と入金の再開準備をしていた。
12月5日には、トロンネットワークを通じてUSDT、USDD、BTT、WIN、NFT、SUN、JST、USDJ、USDCなど特定の仮想通貨の入出金サービスを再開した。公式声明によると、「プラットフォーム上でより多くの仮想通貨の入出金サービスの再開は段階的に実施される」としている。
トロンの創設者であるジャスティン・サン氏は、ポロニエックスとHTX(旧フォビ)を所有している。サン氏に関連するプラットフォームは過去2か月間で4回のハッキングに遭っている。HTXは9月の攻撃で800万ドル、11月下旬のホットウォレット侵害で3000万ドルの被害が発生した。同時に、HTXのHECOチェーンブリッジ(HTXとイーサリアムなどの他ネットワーク間でデジタル資産を移動するためのツール)もハッカーによって侵害され、少なくとも8660万ドルが不正流出した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン