ビットコインのブロックチェーンネットワークが日本時間で14日午後2時頃、重要な機能アップグレードである「タップルート」を完了した。2017年8月に「セグウィット」と呼ばれる機能を実装してビットコインによる高速決済への道を拓いて以来の大型アップデートだ。

ビットコインは現在64000ドル台で取引されており相場の波乱やマイナー間の闘争等もなくソフトフォークが成功したかたちだ。

今回のソフトフォークはビットコインのプライバシーや処理性能などを高めるものだ。2015年に最初に提案されたシュノア署名や、2013年から議論されてきたマークル化抽象構文木(MAST)といった技術がいよいよ導入され、スマートコントラクトの実施速度と匿名性をより高めるとされる

ビットコイン及びライトニングネットワーク対応ウォレットの開発者で、タップルート開発に関わったハンパス・ハーバリ氏はコインテレグラフの取材に答え、タップルートの実装がうまくいったことはビットコインが今後も継続的にアップグレードを実施していけることの証左で、ビットコインの今後の拡張性や可能性がより強まったことが「最大のポイント」だとのべた。

同氏は自身のツイッターでタップルートを「100年(を切り開くため)のソフトフォーク」とし、長期的にビットコインを強化し、より現金のように「代替可能」にするともコメントしている。

さらにタップルートが導入するMASTはライトニングネットワークの匿名性を高めるという。「タップルートを使った取引においては普通の決済だったのか、ライトニングチャネルに属するものなのかわからなくなる。ビットコインの代替可能性、すなわち耐検閲性にとって重要な意義をもつ」(ハーバリ氏談)

またハーバリ氏によると、今回のソフトフォークによって「クロスインプット・シグネチャー・アグリゲーション(CISA)」の導入が射程に入ってくるという。シュノア署名の導入によって可能になる、「マルチシグ2.0」構想だ。
「タップルート以後では色々な可能性が広がるが、個人的には『マルチシグ2.0』が次に見たい。<中略>簡単にはいかないだろうが、「クロスインプット・シグネチャー・アグリゲーション(CISA)」がビットコインのソフトフォークとして出来てほしい」(ハーバリ氏)

ビットコインが誕生してから13年。タップルートを機に、ますます進化していきそうだ。

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