ソーシャルメディア大手のFacebookは、社名をMetaに変更したことを発表した。同社にとって初の大規模なリブランドとなる。

この社名変更は、ソーシャルメディア以外の分野での事業拡大を反映したもの。同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏がFacebook Connectカンファレンスで発表した。これに伴うニュースリリースでは、オンラインでのソーシャル体験と物理的な世界をつなぐ「メタバース」を創造するという同社のビジョンが示された。

Facebook Connectは、バーチャルリアリティの開発者、コンテンツ制作者、マーケティング担当者が一堂に会する年次カンファレンス。今年のイベントは、ブロックチェーン技術によって注目が高まるメタバースのコンセプトに大きく焦点を当てている。

メタバースへの移行は、少なくとも今夏にFacebookがメタバース構築のための新しいチームの結成を発表したときから始まっている。直近の決算発表では、バーチャルリアリティのハードウェア事業であるFacebook Reality Labsを、第4四半期から独自のセグメントに分割する意向を明らかにした。

「メタバース」という言葉は、仮想世界と物理世界の架け橋となることを目的としたビジネスの総称となっているが、仮想通貨の利用は、こうした環境に大きな恩恵をもたらすと考えられている。メタバースでは、ユーザーが仮想の土地やアバター、さらには建物を直接売買することができるからだ。アクシー・インフィニティやディセントラランド、エンジンコインなど、いくつかのブロックチェーンプロジェクトがメタバースへの移行を主導している。

Facebookのメタバース製品責任者であるビシャル・シャー氏は、同社の目標は「できるだけ多くのクリエイターがメタバースでビジネスを構築できる方法を提供すること」だとし、次のように述べた。

「メタバースには、さまざまな種類のクリエイターが存在する。デジタルオブジェクトを作るクリエーター、サービスや体験を提供するクリエーター、そして現在のゲームクリエーターのように世界全体を構築するクリエーターだ」

シャー氏は、メタバース内のビジネスは、物理的およびデジタル的な商品を販売するだけでなく、体験やサービスを提供することができるようになると強調。また、ソーシャルネットワークの広告サービスを利用して、自社製品を宣伝し、新たな視聴者にリーチすることもできるとした。

シャー氏は、「新しいタイプの所有権モデル」を説明する中で、特にノンファンジブル・トークン(NFT)について言及した。新しいMetaプラットフォームは、「人々がNFTのような限定された教育用デジタルオブジェクトを簡単に販売し、自分のデジタルスペースに表示し、さらに次の人に安全に転売することを可能にする」としている。