ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は26日、金融サービス委員会の公聴会「米国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の利点とリスクについて」に事前に証言テキストを提出した。この中でCBDCは複雑化する経済システムにおいて安定性と相互運用性を提供すると述べた。

ステーブルコイのテラUSD(UST)やテザー(USDT)がドルペッグから乖離した最近の出来事にも言及した。ブレイナード氏は、経済におけるステーブルコインの位置づけを認め、声明文の中で次のように述べた。

「現在現金が商業銀行貨幣と共存しているように、将来の状況によっては、CBDCはデジタル金融エコシステムにおいて安全な中央銀行の負債を提供することで、ステーブルコインや商業銀行貨幣と共存し、補完し合うことができるかもしれない」

ブレイナード氏は、オハイオ州のアンソニー・ゴンザレス氏との質疑で、ステーブルコインの安定性を確保するために「銀行のような非常に強固な規制」が必要だとした。

ブレイナード氏の証言テキストと質疑では、銀行の役割と、仲介機能がなくなった経済において銀行の役割は減少するのか、さらに決済システムの断片化とCBDCがすでに存在する状況にどのような影響を与えるのかという2つの質問に大きく触れられた。

これらの点に加え、参加者の何人かはブレイナード氏に、テキストにある「連邦準備制度理事会は、行政府と議会からの明確な支持なしにCBDCの発行を進めるつもりはない」 という記述について圧力をかけた。議員らは、FRBがCBDCの発行を決定する際にどのような選択肢を検討するのかを知りたがっていたようだ。

ブレイナード氏は、CBDCの保有に制限を設け、CBDCの口座に利息を提供しないことで、経済における信用組合の地位を維持し、伝統的な銀行の役割を維持することができると提案した。