仮想通貨市場分析企業メサーリによると、BNBの「マインドシェア(注目度)」がわずか1週間で250%以上急増した。アナリストは、市場が高スループット・低コストのチェーンへ関心を移していることが背景にあると指摘している。

BNBチェーンのネイティブトークンであるBNBは、水曜日に初めて1330ドルを突破。過去1週間で27%上昇し、先週記録した直近高値1111ドルを上回った

メサーリは水曜日のX投稿で、BNBのマインドシェアが過去7日間で251%増の5.09%に達したと指摘。「極めて強気なセンチメント」が上昇を後押ししていると述べている。

オーストラリアの仮想通貨取引所BTCマーケッツのアナリストであるレイチェル・ルーカス氏はコインテレグラフに対し、「BNBのセンチメントの高まりは、市場が高スループット・低コストのチェーン、そして活発なエコシステムを持つネットワークに焦点を移していることが要因だろう」と分析した。

トークンターミナルによると、BNBチェーンの平均取引手数料は0.46ドルであり、火曜日には1秒あたり1億ガスにガスリミットを引き上げ、ブロック生成時間を750ミリ秒に短縮するアップグレードが実施された。以前はブロック時間が3秒、ガスリミットは1秒あたり4700万だった。

ミームコインと時価総額拡大が投資家の関心を呼ぶ

BNBの最近の動きで特筆すべきは、時価総額の拡大とミームコイン人気の高まりである。

BNBの時価総額は10月1日時点で約1400億ドルだったが、水曜日には1830億ドルを突破。時価総額で第3位に浮上した。

Source: CoinGecko 

ルーカス氏は「時価総額でXRPやテザーを上回ったことは、BNBの長期的な位置づけに対する投資家の信頼が高まっていることを示している」と語った。

過去1週間、トレーダーはBNBチェーン上の小型ミームコインで大きな利益を上げており、特に成功しているトレーダーの多くは他チェーンよりもBNBネイティブのミームコインを優先しているという

「ミームコインブームが個人投資家の関与を高める一方で、オンチェーンでマクロ経済データにアクセスできる新たな仕組みなどがDeFi開発者を引きつけている」とルーカス氏は述べた。

エコシステム拡大と機関投資家の関心も後押し

BNBは水曜日、人工知能(AI)、トレーディング、ウォレット、決済関連サービスなど、BNBチェーン上でプロジェクトを構築する開発者を支援するため、10億ドル規模の開発者ファンドを設立したと発表した

ルーカス氏は「こうした開発者支援の取り組みは、エコシステム成長への強いコミットメントを示しており、ミームコイン取引の急増がBNBチェーンのネットワーク利用と手数料を過去最高水準に押し上げている」と述べている。

ブロックチェーン分析プラットフォームのルックオンチェーンによると、BNBチェーンは分散型取引所(DEX)取引高で市場をリードしており、取引量は60億ドル、チェーン手数料は557万ドルを記録している。

ルーカス氏はさらに「CEAインダストリーズによるトレジャリー保有など、機関投資家の関心も信頼性を高めている。短期的にはテクニカル指標が買われすぎを示しているものの、実需や開発者の定着といった基礎的要素が堅固な基盤を提供している」と付け加えた。

BNBチェーンは6月に高速化を目的とした「マクスウェル」アップグレードを実施し、4月には「ローレンツ・ハードフォーク」によりブロック生成時間短縮とバリデータ間通信の強化を導入している

利用指標も過去最高を更新

BNBチェーン上の総ロック価値(TVL)は上昇傾向を続け、92億6000万ドルに達した。また、アクティブアドレス数は先月7324万件に急増し、過去最高を更新している。

ルーカス氏は「市場全体が軟調な中でBNBが好調を維持しているのは、実際の利用と成長を示すエコシステムに資本が流入していることを意味する」と述べた。

さらに、「過去のサイクルと比較すれば警戒も必要だが、BNBの勢いは価格変動ではなくファンダメンタルズに支えられている」と強調した。

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