中国の求人プラットフォームが発表した最新のデータから、ブロックチェーン関連の給与が中国全土で急増していることがわかった。ブロックチェーン分野のスペシャリストへの需要が高まりを見せている。

チェインニュースは中国の求人・就職活動サイトである智联招聘(Zhaopin)のデータから、「数百社」の企業がブロックチェーン関連の求人を出しており、月給が平均で2万元(約30万円)が提示されていることを報じた。昨年の平均給与から倍増している数値だ。

この給与は未経験といった経歴のほか、職種も総合して計算されており、ブロックチェーン分野で3年以上の経験がある場合や複数の能力や起業経験がある場合は月給は大きく上がり、平均して3万元〜4万元(約45万円〜60万円)ほどになるという。特に現在、インターネットやゲーム関連企業からブロックチェーン企業への流入が増加しているという。

一方で、3月に新浪財経が報じた「2020年 中国ブロックチェーン専門能力開発レポート」では、中国では2019年にブロックチェーン専門家の2019年の平均給与は18年比で37%減少したことが明らかになっている。

ただ、給与は減少したものの、様々な業界からブロックチェーン専門家の需要が増加していることを指摘しており、需要と供給の不均衡が生じているとしている。智联招聘のデータと合わせて考えると、経験者のマッチングが難しくなっているのかもしれない。

レポートでは求職者が急増しているにも関わらず、採用企業の求人要件を満たす人材は実際には非常に少ないことも指摘している。

ブロックチェーンにかけるテック企業

中国では2020年5月にブロックチェーン関連の仕事が公式に政府公認となった。中国の人力資源社会保障部政府の労働政策・規制を担当する部署)が「ブロックチェーンエンジニアリング技術者」を公式に認められた職業リストの中に加えた。

ブロックチェーン関連の仕事としては、ブロックチェーンアーキテクチャの設計やブロックチェーンアプリの開発、技術コンサルティングといったものが例示されている。

英国では年収1000万

ブロックチェーン関連の職種の給与は世界的に高給になっている。レンディング企業のキャピタルオントップ(Capital On Top)の調査では、イギリスでブロックチェーン関連の仕事の平均年収は7万5000ポンド(約990万円)となっている。

調査によると、バーチャルリアリティや3Dプリンティング、ビッグデータ、人工知能といったディスラップティブなテクノロジー産業全体の年収について調査し、その中でブロックチェーン関連が最も平均年収が高かったという。

また、カナダでも2019年のブロックチェーン業界の給与は国内最高水準になっているとのレポートも出ている

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン