PwCによる新しい調査によると、ブロックチェーン技術は、その幅広いユースケースを通じて、今後10年間で世界の国内総生産に1.76兆ドル(約185兆円)を追加する可能性がある。2030年には世界のGDPの1.4%を占めるようになると予測している。
レポートは、ブロックチェーン技術への関心の高まりは、仲介者に依存するプロセスに含まれる信頼を統合する、より効率的なシステムの必要性によるものであると述べている。別の調査で、CEOの50%以上がビジネスプロセスに対する信頼の低下が組織に影響を及ぼしていると考えているという。
PwCによると、ブロックチェーンは、組織が契約やID、証明書、記録、合意を検証するのを支援することになる。
PwCのエコノミストは、ヘルスケア、政府による公共サービス、製造、金融、小売、ロジスティックスに至るまで、様々な業界にわたるブロックチェーンの可能性を評価している。彼らは、これらの業界の大多数の企業が2025年までに何らかの形でのブロックチェーン技術を使用することを期待している。
彼らは、来歴、支払と金融商品、ID、契約と紛争解決、顧客エンゲージメントが今後10年間でブロックチェーンのユースケースの上位5つになると予測している。
ブロックチェーンを来歴関連だけに使用すると、世界のGDPに9620億ドルが追加されると予想している。支払と金融商品は潜在的に4330億ドルを追加する可能性はあるが、ほかの3つは10年間で2240億ドル、730億ドル、540億ドルの影響があると予想されている。
2021年の終わりまでに、ブロックチェーンは世界経済に660億ドルを追加するという予測をしている。レポートは、ブロックチェーンの影響が2025年までに6.5倍に増加し、評価額が4220億ドルになると見積もっている。
2030年までに中国と米国はブロックチェーンの利用拡大を通じてGDPにそれぞれ4400億ドルと4070億ドルを追加すると予想。さらにドイツ、インド、日本、英国がブロックチェーンイノベーションのハブになるとも述べている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン