米仮想通貨資産マネジメント企業のビットワイズが、取引所によるフェイクボリューム(取引高の水増し)は仮想通貨の価格に影響を与えないというリポートを発表した。SEC(米証券取引委員会)のウェブサイトで公表されたことから明らかになった

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「規制されていない取引所の取引高の95%がフェイク」と3月に発表したのもビットワイズだ。今回ビットワイズは、取引高の95%がフェイクであるものの効果的なアービトレージ(裁定取引)のおかげで世界のビットコイン価格は正確性を維持していると主張。「数秒」のうちに取引所ごとの価格差がなくなっていると指摘した。

裁定取引とは、同一の資産を売買して価格の違いから利益を得ることを指している。

またビットワイズは、人気仮想通貨データサイト、コインマーケットキャップ(CoinMarketCap)について「驚くほど間違いが多い」と改めて批判。フェイクボリュームと馴合売買(Wash Trading)によってデータが不当に高く釣り上げられており、ビットコイン市場に対する世間の見方を歪めていると避難した。

ビットワイズは、現在ビットコインETFをSECに申請している企業の一つだ。先日、可否判断が再び延期された。SECがビットコインETFにゴーサインを出さない主な理由は、取引所が詐欺や価格操作を防止できるか疑問視していることだ。

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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版