世界最大の仮想通貨インデックスマネジャーのビットワイズは「仮想通貨イノベーター」を対象とした仮想通貨ETF(上場投資信託)を米証券取引委員会(SEC)に申請した。これまでに何度も拒否されてきたETFだが、今回は仮想通貨に直接投資しないことで、実現の可能性が高まっている。

ビットワイズは2月5日、同社の指標である「ビットワイズ・クリプト・イノベーターズ・インデックス」に連動するETFについてSECにフォームN-1Aを提出した。

同インデックスは主に仮想通貨部門から収益の75%以上、もしくは純資産の75%以上を保有している企業で構成される。そのほかには仮想通貨に注力する「専門のビジネス企業」の大企業が含まれているという。

提出された書類によると、これら企業にはデジタル取引プラットフォームやカストディアン、ウォレット、仮想通貨やブロックチェーンを活用した金融サービスプロバイダー、デジタル資産を提供する金融機関、ブロックチェーンインフラプロバイダーが含まれる。

「『クリプト・イノベーターズ』という用語は主に仮想通貨や分散型台帳技術を扱う分野でサービスを提供し、取引を行う企業を指す」

注目すべきなのは、今回のETFは直接、またはデリバティブによって仮想通貨に投資するものではないというものだ。このファンドではイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の取引も一切行われない。これまでのETFが拒否されてきた理由として「仮想通貨市場での詐欺や価格操作に関する懸念が払拭できなかったこと」があげられる。直接仮想通貨に投資するのではなく、それに関連した企業のETFということになれば、間接的にではあるが、ビットコインや仮想通貨ETFの実現の可能性も高まるだろう。

これまで、ビットワイズは仮想通貨ETFの申請に取り組んできた。2020年1月にはヴァンエックがETFを撤回したことを受けて、ビットコインETFの申請を棚上げした。当時、ビットワイズはコインテレグラフに対し、「適切な時期に再申請する」と明らかにしていた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン