ビットワイズの最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏は、仮想通貨を保有するデジタル資産トレジャリー(DAT)企業が市場で差別化を図るためには「困難な道」を選ぶ必要があると指摘した。そうでなければ、投資家は仮想通貨ETF(上場投資信託)に投資した方がましだとも述べている。

ホーガン氏は水曜日のX投稿で、「優れたDATかどうかを見極める最も良い方法のひとつは、『彼らは難しいことに取り組んでいるか?』という問いを投げかけることだ」と述べた。

「仮想通貨を購入してバランスシートに載せるのは、もはや難しいことではない。かつては難しかったが、今はそうではない。もしDATがそれしかしていないなら、ETFを持つ方が合理的だ。ETFは今やステーキングも行っている」

ビットワイズはソラナ(SOL)ETFを含む複数の仮想通貨関連ETFを上場しており、ステーキング機能を提供している。

DATが差別化できる要素

ホーガン氏によると、DATが他社と差別化する方法はいくつかある。その例として、DeFi(分散型金融)エコシステムへの参加(スマートローンなど)や、カバードコール戦略などの収益創出型戦略を挙げた。

「これらの戦略がすべて良いアイデアというわけではないし、全員がうまく実行できるとも限らない。しかし、いずれも安易なものではない。うまくやれば報われる可能性がある」と述べた。

「一方で、仮想通貨を買って保有するだけという安易なアプローチを取るDATは、その資産価値に対して割引価格で取引されることになる」

ストラテジーの注目すべき取り組み

ホーガン氏は、マイケル・セイラー氏率いるビットコイン保有企業ストラテジー(を「困難なことに取り組むDAT」と評価した。同社はDATの代表格であり、64万1205BTC(約660億ドル相当)を保有する最大のビットコイン保有企業である。

「マイクロストラテジーはすでに640億ドル相当のビットコインを保有し、80億ドルの負債を抱えている。そしてそのポジションを担保に債務を発行している。無借金の状態で企業構造の中で560億ドルのビットコイン資本を調達するのは容易ではない」と述べた。

「そして560億ドル相当のビットコイン資本を持つ企業は、転換社債や優先株を発行してさらにビットコインを購入するといった戦略を取ることができる。市場環境によっては、これが株価プレミアムにつながる可能性もある」

DAT銘柄の上昇は短命に終わる傾向

DATを名乗る企業は今年急増しており、ビットワイズが10月に発表したレポートによると、新たに48社がビットコインをバランスシートに追加。これにより、DATは合計207社に達し、保有総額は100万BTC(約1010億ドル超)に上るという。

しかし、こうした企業の中には、経営難の打開策や株価対策として仮想通貨へと方針転換しているだけではないかとの懸念も浮上している。

コインゲッコーが発表したレポートによると、DAT戦略を発表した企業の株価は発表後10日間で一時的に急騰するものの、その後下落に転じる傾向が見られるという。

ホーガン氏は最後に次のように結論づけた。

「DATとはいえ、結局は企業だ。難しいことをうまくやる企業は長期的に評価される。逆に、安易に金儲けを狙って失敗する企業は淘汰される。それはDATの世界でも同じだ」

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