仮想通貨マイニングファームの一部は、ビットコインの価格暴落の影響による不採算から事業を閉鎖したと報じられている。しかし、中国の大手マイナーのビットメインは、マイニング機器新製品が売り切れただけでなく、旧製品のフラグシップの改善を続けているという。

ビットメインのイーサリアム(ETH)・イーサリアムクラシック(ETC)対応マイニング機器「Antminer E3」は、2020年4月までにETHマイニングが行えなくなると報じられた。しかしビットメインがファームウェアを更新したことで、少なくとも2020年10月まではマイニングが可能となったようだ。

ビットメインは、Antminer E3がETHマイニングへの対応停止を予定していた

ビットメインは3月30日、Antminer E3のファームウェアアップデートにより、「2020年3月以降」も利用できること、2020年10月までマイニングを行えることを同社ブログで明らかにした

Antminer E3の新ファームウェアは、アルトコインのマイニングプール「2マイナーズ(2Miners)」が2020年2月にレポートした有向非巡回グラフ(DAG)ファイルの問題に対処するようだ。

ETHをマイニングする場合、GPUはマイニングプロセスの開始時に(少なくとも)ファイルサイズ1GB以上のDAGファイルを必要とする。DAGファイルが3万ブロックごとに作成されることで、メモリー容量の限界に達するという。今回の問題は、ビットメインのAntminer E3が内蔵しているGPUが、専用メモリー(DDRタイプ)として4GBを搭載していることが原因のようだ。

その後ビットメインはDAGサイズ増加に関する問題を確認し、2マイナーズはAntminer E3がETHマイニングを停止することになるのは、2020年4月8日ごろと計算していた。

ビットメインのファームウェアがDAGサイズ増加に対応

Antminer E3の製品寿命は、新ファームウェアにより延長されたことになる。ビットメインによると、DAGファイルの処理には多くのメモリー空き容量が必要で、専用メモリーをより効率的に利用するようにしたようだ。

またビットメインは、今回のアップデートにより、Antminer E3の最終的なブロック高はおよそ「11,400,000」となると明かした。「2020年3月以降」も利用でき、2020年10月までマイニングを行えるという。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版