中国の仮想通貨マイニング機器大手ビットメインの共同創業者であるミクリー・ザン・ケチュアン氏とジハン・ウー氏の権力闘争がついに最終決着したようだ。ウー氏は26日、同社を去ることを発表した。同社の権力闘争を巡っては、マイニング機器の発想に遅延が起き、同社幹部が警察に逮捕されるなど、仮想通貨業界に影響が出ていたが、一旦は落ち着きそうだ。
ビットメインの元会長兼CEOとなったウー氏はフォロワーに対し、すでに同社を追放されたザン氏との不和が「友好的」かつ「建設的」な方法で解決したことを暗号文で明らかにした。
「私は本日をもってビットメインのCEO兼会長を辞任した」
お互いの合意として、ザン氏は一時的に自分の株を抵当に入れ、ウー氏が保有する株式を買いとるために必要な6億ドルを調達。この内訳はビットメインから4億ドルの融資を受けて、「グループ外からもう一つ(2億ドル)調達した」ものと報じられている。
ウー氏によると、ビットメインは25日時点で3億2700万ドルの法定通貨を保有している。ウー氏はビットメインの財務状況は健全なものであると主張し、ザン氏への融資は経営には影響はないとしている。
一方でウー氏は今後もマイニング業界に残るようだ。ザン氏との和解の一部で、ビットメインと契約するクラウドマイニングサービス会社ビットディアー(Bitdeer)の会長にウー氏が付き、分社化することが明示された。ザン氏はクラウドマイニング「アントプール(Antpool)」と中国のビットメインを率いることになる。
ビットコインの内部闘争は、2019年10月にザン氏がウー氏によって解任されたことが発端だ。これは、ビットメインが香港市場でIPOを試みたが失敗したことに起因するとされる。IPOに関して2人が対立し、ウー氏がザン氏をビットメインから追放した。
内部闘争については、昨年12月にザン氏がビットメインの運営権を持ち、ウー氏に6億ドルの和解金を支払うことで合意していた。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン