仮想通貨取引所のビットフィネックスは最近、特定のユーザーにレターを送付し、ユーザーは課税情報を開示する必要があり、その情報をビットフィネックスは政府に提供する可能性があると説明した。ビットフィネックスが17日にツイッターで明らかにした。
We have not sent this message to all users. We have deliberately targeted users that we believe have an obligation to self-disclose. If a user has _not_ received a message from us, she need _not_ self-certify anything to us at this time.
— Bitfinex (@bitfinex) May 17, 2018
〔ツイート上〕
(ビットフィネックスがユーザーに課税情報を求めるようになった。ビットフィネックスはそれを英領バージン諸島(BVI)へ送り、BVIはそれをユーザーの国の課税当局に提供する。我々は強く拒否する。もしあなたもこの決定に同意できないなら、ビットフィネックスから金を引き出すことによって平和的に抗議しよう)
〔ツイート下〕
(当社はこのメッセージを全ユーザーに送付したわけではない。自己開示の義務があると当社が確信するユーザーのみに送付した。当社からのメッセージを受け取っていないユーザーは、現時点では当社に対してなにも自己申告する必要がない)
英領バージン諸島に登録しているビットフィネックスは、BVIの法律により、特定の情報をBVI政府に報告する義務があるという。レターによると、ビットフィネックスは入手した情報を、米国の外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)と経済協力開発機構(OECD)の共通報告基準(CRS)に従って税務当局に「提供する可能性」がある。
情報の提出期限は5月24日に設定されている。通知によると、ユーザーは、自身が個人であるか企業であるか、米国居住者であるか米国市民であるかに応じて、自己申告書に記入しなければならない。
「ユーザーが米国人(米国居住者、米国市民、あるいは米国企業)もしくは25%超の所有権を有する米国人が1人以上いる企業は、しかるべきFATCA書式に記入されたい。当てはまらない場合は、しかるべきCRS書式に記入されたい」
仮想通貨コミュニティではWhalepool氏がビットフィネックスのこの新方針に言及した後、ビットフィネックスはメッセージの送付をツイッターで認めた。
「当社はこのメッセージを全ユーザーに送付したわけではない。自己開示の義務があると当社が確信するユーザーのみに送付した。当社からのメッセージを受け取っていないユーザーは、現時点では当社に対してなにも自己申告する必要がない」
ビットフィネックスは12年に設立され、香港に本社を置いている。時価総額6億8600万ドルで、世界第4位の仮想通貨取引所であり、77種類の仮想通貨を扱う。
ビットフィネックスは先月、ニューヨーク州の当時の司法長官、エリック・T・シュナイダーマン氏が立ち上げた、仮想通貨取引プラットフォームの「運営方針と運用状況の調査」である「仮想通貨市場の誠実性イニシアティブ」の対象となった。このイニシアティブの一環としてビットフィネックスは、事業運営や内部管理、その他仮想通貨の投資家とユーザーを保護するための重要事項に関する情報の提供を求めるレターを受け取っている。