巨額資金損失の隠蔽疑惑に揺れる仮想通貨取引所ビットフィネックスは、イニシャル・エクスチェンジ・オファリング(IEO)で10億ドル(約1110億円)相当を調達する計画を立てていることを8日に発行したホワイトペーパーで認めた

IEOは、トークンを使った資金調達の一種。ICO(イニシャル・コイン・オファリング)と異なり、取引所の利用者しか売買できない仕組みだ。ビットフィネックスがIEOで発行するトークンはレオ(LEO)と呼ばれている。8日の正式発表の前にもビットフィネックスの株主からビットフィネックスがIEOを計画しているという話が出ていた。

1レオは1テザー(USDT)で購入可能で、ビットフィネックスは10億USDT分のレオを売る計画。現在、テザーは約1ドル付近で推移している(出典:CoinMarketCap)。

5月11日までは一部の投資家を対象にレオが販売され、その後一般投資家にも販売されるという。レオはビットフィネックスでの手数料支払いなどに使えるユーティリティートークンとして機能する見込みだ。

先月末、ビットフィネックスは8億5100万ドル(約953億円)損失補填の為、7億ドル(約784億円)のテザーを使っていたとしてニューヨーク州の司法長官から訴追された。ビットフィネックスは、これに反論し、8億5100万ドルは損失したわけではなく差し押さえられていると述べた

今回のIEOで調達した10億ドルを8億5100万ドルの損失補填に使うのではないかという見方も出ている。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版