デジタルコインの代表格といえばビットコインだが、それ以外にも多くの仮想通貨が生み出されてきた。中にはイーサリアムのようにビットコインと肩を並べるまでになったものもあるし、リップルやライトコイン、ダッシュのように成長中の通貨もある。
一方で、過熱するICOは、パロディやジョーク、もしくはまったくのガラクタのような不合理ででたらめなコインも生み出すに至っている。にもかかわらず、ICOやブロックチェーンに関する誇大宣伝を通じ、大きな人気を博したものもある。ここでその一部をご紹介しよう。
柴犬コイン(Dogecoin)
馬鹿らしいコインの代表格が「柴犬コイン」だろう。「ドージ」(doge)という柴犬をモチーフにしたコインだ。
「柴犬コイン」は最初、当然のごとく、冗談扱いされた。ところが、このコンセプトを気に入った人たちによって、発行されると瞬く間に人気が集まり、時価総額で1億3000万ドル(約148億円)に達した。ドージコインはアドビ(Adobe)のグループ・プロダクト・マネージャーのジャクソン・パーマ-(Jackson Palmer)とIBMのソフトウェア・エンジニアのビリー・マーカス(Billy Markus)が「熟慮もせず」に考案したものだ。
巨大ハンバーガーコイン(WhopperCoin)
正式にはウォッパーコインとよばれるコインは、ロシアのバーガーキングに採用されたことで一躍名が知れた。顧客が1ルーブルを使うごとに1ウォッパーコインがもらえる仕組み。1700コインがたまればハンバーガー1個と交換できる。
大麻コイン(PotCoin)
ポット(大麻)コインは生まれるべくして生まれた。これは場所にとって合法だったり非合法だったりするマリファナ産業が取引の場を広げるために創出された。
映画アバターの「アンオブタニウム?」コイン
覚えている人は少ないかもしれないが、映画「アバター」のファンであれば、アンオブタニウムの成り立ちについてご存じだろう。映画の中に出てくる稀少鉱物がヒントとなっている。アンオブタニウムは仮想通貨の中でも最も稀少とされている。今後300年以上にわたり上限を25万コイン(UNO、ウノ)に限っているためだ。現在の時価総額は1100万ドル(約12億5000万円)。
コイニエ(Coinye)
米国の世界的ラッパー、カ二エ・ウエストの名前をパロってできたコイン。知的財産侵害行為でウエストから訴えられると、14年にすぐ閉鎖された。
プーチン・コイン(Putin Coin)
あの謎めいたロシア大統領もデジタルコインになった。プーチン・コインは16年に誕生したばかりだが、時価総額はどうにか250万ドル(約2億8000万円)にまでなっている。