ビットコイン（BTC）は11月24日に一時3万8000ドルに達したが、その価格帯では強固な抵抗に直面した。11月27日にはビットコインの価格が3万7000ドルを下回り、1週間前と変わらない水準だ。
注目すべきは、BTCデリバティブの揺るぎない強さであり、これは強気派の意図が堅固であることを示している。
中国では興味深い動きが展開している。テザー（USDT）が現地通貨である人民元に対してその公正価値を下回って取引されているのだ。この乖離は、デリバティブ市場で活動するプロのトレーダーと、現物市場で取引する個人投資家の間で期待が異なることからしばしば発生する。
BTCデリバティブへの規制の影響
ビットコインデリバティブを使うクジラと裁定取引デスクのエクスポージャーを評価するには、BTCオプションの取引高を評価する必要がある。プット（売り）オプションとコール（買い）オプションを調べることで、現在の強気または弱気のセンチメントを推測することができる。
11月22日以降、プットオプションの取引高はコールオプションに比べて平均40%落ち込んでいる。これはプットオプションへの需要が減少していることを示唆している。バイナンスと米司法省の和解、および米証券取引委員会（SEC）によるクラーケンに対する訴訟を受け、規制当局の監視が強まっているとみられる中、これは意外な展開だ。
投資家はバイナンスのサービス混乱を予想していないかもしれないが、米国人顧客を対象とする取引所に対するさらなる規制措置の可能性は高まっている。さらに、以前は自らの活動を隠していた個人も、司法省が過去の取引にアクセスするにつれて、行動を改めることを考えるかもしれない。
さらに、チャンポン・ジャオ氏が当局と結んだ合意が他の未認可の取引所や決済ゲートウェイにまで及ぶかどうかは不確かである。要するに、最近の規制措置の影響は不確実であり、投資家は追加の制約やマーケットメーカーやステーブルコイン発行者を対象とした潜在的な行動を恐れており、悲観的なセンチメントが支配的だ。
ビットコインオプション市場が異常であるかどうかを判断するために、特に中立市場で固定された資金調達率を持つ月次のBTC先物契約を詳しく見てみよう。通常、これらの商品は決済期間の延長を考慮して5%から10%のプレミアムで取引される。
11月24日から26日の間、BTC先物のプレミアムは過度な楽観を示し、約12%付近で推移している。しかし、11月27日にはビットコインの価格が3万7000ドルのサポートをテストするにつれて、プレミアムは9%に低下し、中立レベルだが強気の閾値に近い。
個人トレーダーのETF楽観論が退潮
ビットコイン上場投資信託（ETF）の承認の可能性など、短期的なポジティブなトリガーがないため、個人投資家の間では無関心が高まっている。SECが最終決定を下すのは早くとも2024年の1月～2月とみられている。
仮想通貨取引所OKXで、人民元に対するUSDTプレミアムは過去4か月で最低となった。このプレミアムは中国に拠点を置く仮想通貨個人トレーダーの需要を測るものであり、ピアツーピア取引と米ドルの間のギャップを測定する。
11月20日以降、USDTはディスカウント価格で取引されており、これは仮想通貨清算の強い願望か、あるいは規制への懸念が高まっていることを示唆している。いずれにせよ、ポジティブな指標とは言えない。さらに、1%のプラスのプレミアムが最後に発生したのは30日前であり、個人トレーダーが3万8000ドルへの最近のラリーに特に熱心であるわけではないことを示している。
結局のところ、プロのトレーダーは短期的な調整に動じておらず、規制環境にかかわらずその姿勢を保っている。世界の終わりを予測する声とは対照的に、バイナンスの地位は影響を受けておらず、非認可取引所の取引量の減少はビットコインETFの承認の可能性を高めるかもしれない。
プロのトレーダーと個人投資家の楽観主義の間の分断を説明するのは、タイムラインの違いかもしれない。さらに、最近の規制措置は機関投資家の参加を促進し、将来的には上昇の可能性を提供するかもしれない。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自分でリサーチを行って決定してください。