ビットワイズの最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏は、2025年末までにビットコイン(BTC)が20万ドルに到達すると予測している。その背景には、機関投資家による旺盛な需要によって生じる「供給ショック」があるという。

ホーガン氏は、トロントで開催されたコンセンサス2025の会場でコインテレグラフのインタビューに応じ、ビットワイズが採用している価格予測モデルは「需給の指標に完全に基づいている」と説明した。

「今年、マイナーが新規にマイニングするビットコインは16万5000BTCと見込まれている。それをすでに上回る量が、上場企業によって購入されている。ETFへの資金流入は60億ドルに達しており、今後は政府による買いも出てくると見ている。需要と供給の間に構造的なギャップがあるのは明らかだ」

「私の見立てでは、最終的に10万ドルの水準で売り圧力を使い果たし、次の目標が20万ドルになると考えている」と語った。

ビットワイズは米国市場におけるビットコインETFの発行企業のひとつであり、自社のETF「ビットワイズ ビットコインETF(BITB)」には、5月14日時点で約40億ドルの運用資産がある。

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ビットワイズのマット・ホーガン氏(右から2人目). Source: Cointelegraph

ホーガン氏はまた、こうした機関投資家の需要によって市場の流動性が底上げされたことで、サイクル中に最大90%の下落を伴う4年ごとの半減期サイクルが「もはや過去の遺物になりつつある」とも語った。

ストラテジーの買いが市場に構造変化をもたらす

ビットコイン需要を牽引する企業のひとつが、ストラテジー(旧マイクロストラテジー)だ。同社は企業財務にビットコインを組み込むBTC準備金戦略の先駆者であり、現在は56万8840BTCを保有している

ビットコインアナリストのアダム・リヴィングストン氏は、ストラテジーの動向について「新規発行量を凌駕するペースでBTCを取得しており、実質的に“ビットコインの半減期”を作り出している」と指摘する

同氏によれば、ストラテジーは過去6カ月間で37万9800BTCを買い増しており、このペースを維持すれば、将来的にビットコインの貸付市場を実質的に支配する存在になる可能性があるという。

「BTCのグローバルな資本コストは、もはや市場によって決定されるのではない。初のビットコインのスーパーパワーであるストラテジーの政策によって定まる」と、リヴィングストン氏は述べている。

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Bitcoin miner reserves are in long-term decline. Source: CryptoQuant

その影響力の大きさから、市場アナリストのキ・ヨンジュ氏は、現在のビットコインの供給は「デフレ状態」にあり、年間のデフレ率はマイナス2.33%に達していると分析している

こうした需要増を背景に、一部のアナリストの間では「ビットコインが今後10年以内に100万ドルに達する」との見方も広がっている。

中でも、アナリスト兼投資家のアーサー・ヘイズ氏は、「ビットコインは今後3年以内に100万ドルに達する」と強気の予測を掲げている。ヘイズ氏は、世界的なマクロ経済の悪化と中央銀行による流動性供給が今後も価格上昇を後押しすると見ている。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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