主なポイント:

  • ビットコインは11万6,000ドルを下回ったものの、依然として18日間続くレンジ内で取引されている。

  • 米規制当局とトランプ政権による仮想通貨推進政策とビットコイン価格との間に生じているタイムラグが、トレーダーの不安を招いている。

ビットコイン(BTC)は水曜日、米連邦準備制度理事会(FRB)がFOMC議事要旨を公表し、ジェローム・パウエル議長が利下げを見送った理由を説明した記者会見を受けて急落した。木曜日には、米株式市場と仮想通貨市場が再びファンダメンタルズや、ドナルド・トランプ大統領の経済政策が長期的にもたらす影響に注目を戻し、反発した。

急落によって11万6,000ドルを割り込んだものの、BTCは過去18日間続く11万5,000〜12万1,000ドルのレンジ内で取引を続けており、データはレンジ拡大が間近に迫っていることを示している。

ハイブロック・キャピタルのアナリストは、FOMC前後の値動きを「流動性狩り」と表現し、「15分足で上下にヒゲが伸びた典型的な優柔不断ローソク足が出現し、市場は迷っていた」と述べた。同社は、オーダーブック深度10%水準でのビッド・アスク比が赤に転じ、価格が11万5,883ドルの清算水準に達する可能性が高まったと指摘した。

Post-FOMC: Liquidity Hunt
BTC/USDT after FOMC minutes. Source: X / Hyblock 

バイナンスとバイビットのBTC/USDT無期限契約の清算ヒートマップを見ると、レンジと清算水準は変わらず、12万ドル超でショートの清算が加速し、11万5,000ドル割れでロングが清算リスクにさらされている。

BTC/USDT liquidation heatmap. Source: Hyblock

TRDRのアグリゲートオーダーブック(深度2.5〜10%)データでは、12万1,100ドルに売り板が厚く、11万1,000ドルに大口買い注文が出現している。

BTC/USDT 1-hour chart, Binance. Source: TRDR.io

価格圧縮が下方レンジ拡大を導く

水曜日、コインテレグラフのアナリストは、ビットコイン先物市場における積極的なレバレッジ利用の不在と価格圧縮が、レンジ拡大の兆しであると指摘していた。当時、ボリンジャーバンドも収束しており、BTC価格は20日移動平均線を上回って推移していたため、多くのトレーダーが上方ブレイクアウトを予想していた。

BTC/USDT 1-day chart, Binance. Source: TRDR.io

市場はビットコインの下方流動性を狙ったが、依然としてポジティブな要因は残っている。カプリオール・インベストメンツの創業者チャールズ・エドワーズ氏は、過去6週間でビットコインを購入する企業が急増し、「毎日3社以上がビットコインを購入している」と述べた。また同氏の「企業の買い・売り」指標では、「現在、月間で買い手と売り手の比率が100対1になっている」という。

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Bitcoin treasury buyers vs. sellers. Source: Charles Edwards / X 

スポット型ビットコインETFへの資金流入も再開しており、先週は2億8,500万ドルの流出を記録したものの、7月23日以降の純流入は計6億4,130万ドルに達している。

今週発表されたホワイトハウスの仮想通貨報告書と、米証券取引委員会(SEC)のポール・S・アトキンス委員長による「デジタル金融革命における米国のリーダーシップ」演説は、トランプ政権と規制当局が米国で仮想通貨セクターの成長を優先する方針を明確に示すものとなった。

短期的には、売り優勢が続けば11万5,000〜11万1,000ドルのレンジでロングポジションの清算を狙う下落が想定される。強気派にとって望ましいシナリオは、11万1,000ドルで強い買いが入り、出来高を伴って11万6,000ドル超を回復することだ。さらに好ましい展開は、スポットと無期限先物の累積出来高デルタ(CVD)がプラスに転じ、両市場で買いが強まり、終値が12万ドルのレジスタンスを上回ることだ。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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