JPモルガン・チェースのストラテジストは、現在の仮想通貨ビットコイン(BTC)の価格が割高であるとみている。10月14日付のブルームバーグ・クイントが伝えた

複数のJPモルガン・チェースのストラテジストは、ビットコインの「本質的価値」を計算。現在は割高であり「短期でビットコインは『控えめな逆風』に直面するだろう」と予想した。

(参照:Bitinfocharts.com, J.P. Morgan via Bloomberg Quint 「ビットコイン価格と本質的な価値」)

JPモルガンは、ビットコインをコモディティ(商品)とみなし、生産量を1単位増加させるときにかかる限界費用から本質的な価値を計算している。限界費用にはマイニングに必要なコンピューターのパワーや電気代などがふくまれる。

JPモルガンのストラテジストであるNikolaos Panigirtzoglou氏は、ビットコインの先物取引でロング(買い)ポジションが未だに過剰であると指摘。9月のビットコイン 下落によって「泡」はほとんど消えたが、それでもビットコイン価格は本質的な価値をより約13%高い状態で推移していると述べた。

2021年 テザーがイーサを超える?

ブルームバーグは10月初頭に発表した仮想通貨レポート「ビットコインのトレンド、ゼロの追加」中で、米ドルに連動するステーブルコインであるテザー(USDT)の時価総額は2021年にもイーサ (ETH)を超えると予想した

ブルームバーグは、「ビットコインに対するデジタルゴールドとしての需要」と「米ドルのような仮想通貨への需要」が続けば「2021年にはビットコインが時価総額1位、テザーが2位になるだろう」と予想。「ステーブルコインに対する需要の高まりはおそらく中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)の先駆けであり、過剰な投機であるアルトコインより息が長いものになるだろう」と分析した。

現在のテザーの時価総額は165億ドル(約1兆7500億円)でイーサ は450億ドル(約4兆7700億円)となっている。

テザー社のパオロ・アードイノCTOは、「ビットコインがもちろん全ての仮想通貨の王様」としつつ「テザーはある意味我々の時代の真のデジタル資産」と主張。テザーとイーサ の比較について次のように続けた。

「テザーは、DeFIなどのように、イーサリアムが生んだ多くのパワフルなプロトコルを円滑に使うために用いられている。もちろん、我々はイーサリアムと競争をしているわけではない。だが、現在400億ドル以上あるイーサリアムの時価総額を超えるというのは、パワフルなステートメントになる」

またアードイノ氏は、ビットコインとの比較については「テザーはビットコインの競争相手というよりは補完的な存在とみて間違いない」と話した。

テザーとビットコインはある意味一蓮托生のところがある。

既報の通り、仮想通貨取引所の運営が禁止されている中国のトレーダーは、ビットコインを入手する方法としてテザーに頼っている。