ビットコインマイニング企業であるマラソン・デジタル、ライオット・プラットフォームズ、クリーンスパークは、9月にビットコインの生産を大幅に増加させ、10月4日に株価が上昇した。

ビットコイン(BTC)の価格が2万5100ドルと2万8500ドルの間で横ばいを続けたにもかかわらず、これらの企業の財務状況は改善した。

マラソンのBTC生産量が245%増加

ビットコインマイニング企業マラソン・デジタルは、9月に合計1242BTCを生産した。これは8月から16%、2022年9月からは245%の増加だ。この大幅なBTC生産の増加は、企業のハッシュレートが2022年9月の3.8エクサハッシュ/秒(EH/s)から23.1EH/sに508%増加したことが要因だろう。

10月4日の発表で、マラソンのフレッド・ティールCEOは、同社が目標としていた23エクサハッシュを達成したことに満足していると述べた。米国に拠点を置くマラソンは、低コストの再生可能エネルギーを提供する新たなマイニングの場所を探しているという。「我々は、ハッシュレート容量の次の5エクサハッシュについて、低コストの再生可能エネルギーを提供する場所を海外拠点も含めて複数の場所を評価している」としている。

マラソンは、2023年にこれまでに8610BTCを生産したと述べている。企業の財務諸表には、ビットコインが1万3726BTC、現金と現金同等物が1億100万ドルで、合計で4億7120万ドルとなっている。同社の株価は10月4日に3.29%上昇し、7.54ドルとなった。

ライオットもBTC生産を増加

一方、ビットコインマイナーのライオット・プラットフォームズは、9月にBTC生産を前月比9%増加させた。「戦略的にマイニング業務を削減」しながら362BTCを生産した

同社は、事前に購入した電力を市場のスポット価格で電力会社に売却する契約を結んだ。ライオット・プラットフォームズのジェイソン・レスCEOは、この契約が同社に強力な収益源を提供し続けていると述べた。

「戦略的にマイニング業務を削減することで、我々は電力会社との長期電力契約に基づいて1100万ドルの電力クレジットを受け取り、ERCOTの補助サービスプログラムに参加して250万ドルの需要応答クレジットを受け取った」とレス氏は述べている。

その結果、ライオットが8月と9月のビットコイン売上の純収益よりも電力制限クレジットからより多くの収益を得たという。

レス氏は、ライオットの現在の自己マイニングハッシュレート容量は12.5EH/sであり、同社が2024年半ばに次世代のビットコインマイナー3万3000台を設置すると、その数値は20.1EH/sに増加すると見込んでいる。

ライオットの株価は10月4日に3.25%上昇し、9.06ドルとなった。

クリーンスパークは「最高の四半期」を記録

ビットコインマイナーのクリーンスパークは、9月に643BTC、2022年10月1日から2023年9月30日までの会計年度には6903BTCを生産した。これは同社にとって最高のパフォーマンスであると、クリーンスパークのCEO兼社長のザック・ブラッドフォード氏が述べている

「我々は最高の四半期と最高の会計年度を過ごした。効率が上がり、エネルギーコストは業界で最も低く、施設は最大容量で稼働している。我々のチームとリーダーが日々、困難を乗り越えてくれることを特に誇りに思っている」とブラッドフォード氏は語っている。

クリーンスパークの株価は10月4日に4.61%上昇し、3.63ドルとなった。

ビット・デジタルも10月4日に結果を発表したが、ビットコインの生産が9月に7%減少し、130.2BTCに落ち込んでいる。10月4日の声明で、同社は生産の減少を、9月26日に電力会社が定めたメンテナンス停電により、約600ペタハッシュ(毎秒)のマイナーがオフラインになったことによるものだと述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン