ビットコインのドミナンス(仮想通貨市場における時価総額占有率)が先週、2018年1月以来初めて一時的に50%を下回った。市場はアルトコインへの投機が進んでいるようだ。

コインマーケットキャップによると、今年初めには70%を超えていたビットコインのドミナンスは、4月22日に49.35%まで下落した。

一方でイーサリアムは、22日にドミナンスのピークを迎え、15%に上昇。2021年初めから4ポイント増加している。

イーサは過去7日間の価格推移でビットコインを上回るパフォーマンスを見せ、9.5%上昇した。イーサが史上最高値から10%ほど下落しているのに対し、ビットコインは20%以上の調整だ。

さらにバイナンスコイン(BNB)は今年に入ってから、ドミナンスが0.71%から4月25日には4.17%と着実に数値を伸ばしている。バイナンスプラットフォームの採用が進んでいることや、第一四半期に6億ドル相当のトークンをバーンしたことなどの要因に支えられた。

一方で上位10位以下の仮想通貨は、2021年1月1日以降、ドミナンスは11%から18%まで上昇している。

Despite registering multiple record highs this year, Bitcoin's dominance relative to altcoins has declined sharply. Source: CoinMarketCap

こうした市場再編の動きについて、仮想通貨投資マネジャーであるコインシェアーズで最高戦略責任者(CSO)を務めるメルテム・デミラーズ氏は、「多くの人がリスク度外視で、リターンを追い求めている」と分析している。

同氏によると、94の仮想通貨が10億ドル以上の時価総額を突破したことを指摘。記事執筆時点では87まで減少している。

アルトコインがビットコインに対して急騰する「アルトコインの季節」のタイミングや持続期間についてはアナリストの間でも意見が分かれている。ジャルビス・ラボの共同創業者であるベン・リリー氏はこのほど、リスク調整の観点から、ビットコインからアルトコインに投資を移すのは適切な時期ではないと述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン