3月7日に米証券取引委員会(SEC)に新たに提出された書類によると、中国のビットコイン(BTC)マイニング業者であり、特定用途向け集積回路(ASIC)マイニングマシンのメーカーであるカナンは、2022年第4四半期の収益が前年同期比82.1%減の5680万ドルになった。

同四半期、カナンはビットコインマイニング用に毎秒190万テラハッシュ相当のコンピューティングパワーを販売しているが、これも前年同期比で75.8%の減少となっている。

同時に、カナンのマイニング収入は前年同期比368.2%増の1046万ドルに改善した。カナンの会長兼CEOであるナンゲン・チャン氏は「市場低迷時の需要リスクを軽減するため、当社はマイニング事業の改善と発展を熱心に進めてきた」と語っている。

しかし、このセグメントの成功にもかかわらず、カナンの純利益は、2021年第4四半期の1億8,200万ドルの黒字に対し、2022年第4四半期は6,360万ドルの損失となった。カナンの最高財務責任者であるジン・チェン氏によれば、この損失は、在庫評価減とASICの新機種に関連する研究費によるものだという。

「市場の需要が極めて低調であったこと、及び販売価格が低かったことから、2億530万人民元の在庫評価損を 追加で計上し、売上総利益率を低下させた。また、A13シリーズのテープアウトに関連する研究開発費の一時的な増加もあり、当四半期の損益 は赤字となった」

通期では、主に2022年第1四半期及び第2四半期の業界状況が改善したことにより、売上高は13.8%減の6億3490万ドルとなった。現在、同社の総資産は7億600万ドルであるのに対し、総負債は6700万ドルとなっている。