バイナンスの創業者兼CEOである趙長鵬氏(通称CZ)は9日、同社が開発中の分散型取引所のデモ映像を公開した。「近い将来分散型と中央集権型の取引所は共存する」というビジョンに向かって、バイナンスはまた一歩前進したことになる。
自らが出演した6分間ほどの動画の中でCZは、ユーザーインターフェース(UI)が悪く「現時点であまり期待して欲しくない」としつつも、独自のブロックチェーン技術である「バイナンスチェーン」にとっては「小さな一歩」でバイナンスにとっては「大きな一歩」となると発言した。
A first (rough, pre-alpha) demo of the Binance Decentralized Exchange (DEX), showing issuing, listing and trading of tokens. All cli based, no GUI yet. A small step for #BinanceChain, a big step for #binance. https://t.co/2aXkR0gclP
— CZ (not giving crypto away) (@cz_binance) 2018年8月9日
「バイナンス分散型取引所が公開する最初の(ラフでアルファ前の)デモだ。トークンの発行、上場、取引をお見せしよう。コマンド・ライン・インターフェース(CLI)を使っていてまだグラフィック・ユーザー・インターフェース(GUI)はできていない。バイナンスチェーンにとっては小さな一歩、バイナンスにとっては大きな一歩となる」
バイナンスの分散型取引所がいつ立ち上がるのかは明らかにされなかった。
分散型取引所は、中央集権型の取引所よりセキュリティが高いと評価されている。分散型取引所は、利用者が秘密鍵を使ってコインのオーナーシップを維持できる仕組みを提供する一方、中央集権型取引所は、仮想通貨を一箇所で集中管理する「ハニーポット」方式を採用しているためサイバー犯罪者にとって標的を絞りやすくなる。
バイナンスは1日、分散型のウォレットである「トラストウォレット」を買収したと発表。開発中の分散型プラットフォームのデフォルトのウォレットとして、トラストウォレットを使う方針を明らかにしていた。
CZは先月、イーサリアムの共同創業者ヴィタリク・ブテリン氏が「中央集権型の仮想通貨取引所は地獄で焼かれてしまえ」と発言したことに対して、反論。「完全な分散型はない」とし、「エコシステム全体が前に進めるよう広い心を持とう」と話した。