ブルームバーグの報道によると、米商品先物取引委員会(CFTC)が、仮想通貨取引所バイナンスと同社CEOのジャオ・チャンポン氏(通称CZ)を取引違反で提訴した。提訴はイリノイ州北部地区連邦地方裁判所で行われた。

CFTCによると、バイナンスはデリバティブ規制当局に登録せずにサービスを提供するなど、規制上の義務を果たさなかったという。バイナンスは、2021年以降、CFTCの調査の対象となっていた。

CFTCに加えて、内国歳入庁と連邦検察が、バイナンスがマネーロンダリング防止規則を遵守しているかどうかを調査。証券取引委員会(SEC)も、バイナンスが米国のトレーダーに未登録証券へのアクセスを提供したかどうかを調べているという。

ビットコイン価格は報道以来急落し、一時27000ドルを割った。

CFTCは、バイナンスが少なくとも2019年以降、米国籍を持つ人々に対してビットコインやイーサ、ライトコインの取引を実施したと主張。同社とその幹部が意図的に米国の法律に違反したと訴えている。

"その間ずっと、バイナンス、ジャオ氏、およびプラットフォームの元チーフコンプライアンスオフィサー(CCO)のリム氏は、バイナンスが米国顧客を勧誘することが、米国法に基づく登録および規制要件をバイナンスに課すことを知っていた。"

訴えによると、バイナンスは、執行事務所の所在地、および「取引プラットフォームを運営する事業体の身元と所在地」を隠蔽したという。CZが「.comをどこにも着陸させない」ことによって「(法律違反の)国々をクリーンに保つ」ことだと述べたバイナンスの内部メモを引用した。

バイナンスは米国で少なくとも60人を雇用しており、「その数は増え続けている」とCFTCは訴えの中で述べている。また、米国の商標を保有している。バイナンスは2019年にバイナンスUSという米国子会社を立ち上げている。

CFTCが行ったその他の告発の中には、バイナンスが規制当局への登録を怠り、法的に義務付けられているアンチ・マネー・ローンダリングおよび顧客情報(AML/KYC)管理の実施を含む商品取引所法およびCFTC規制の規定に違反したという主張がある。

さらに、バイナンスが活動を適切に監督することを怠り、米国の商品取引所法を回避するために、米国の国境を越えた活動を進んで行い、規制を回避するための行動をとったことをCFTCは批判した。

「バイナンスがCFTCから文書による指摘を受けた後やバイナンスが文書を社員に配布したとされる後も、ジャオ氏とバイナンスを代表する他の人々は、自動削除機能を有効にしたシグナルを使用してビジネスコミュニケーションを行っていた」