「マネーの進化史」などで有名な英国の歴史家ニーアル・ファーガソン氏は、米国は独自の手法で仮想通貨を採用するべきであり「中国風の電子決済システムの再構築」をするべきではないと主張した。
11月29日のブルームバーグのオピニオン記事の中でファーガソン氏は、現在のパンデミックは仮想通貨の普及にとって総じて良かったとし、世界の「金融革命」を加速させたと評価させた。しかし、中央銀行発行のデジタル通貨やアリペイ・ウィーチャットペイなどの電子決済など、「急速に進展している」のは中国であると指摘。他の新興国におけるクロスボーダー送金のテンプレートとなりつつあると述べた。
ファーガソン氏は、米国に対しては、中国テンプレート化の流れに逆らうようにアドバイスした。
「中国の金融化と対立するインドのような国でさえも本質的には中国の電子決済システムを独自に再構築しているに過ぎない。中国風のデジタルドルを作ろうとするのではなく、ジョー・バイデン次期政権は米国の金融システムにビットコインを統合する恩恵に気づくべきだ」
またファーガソン氏は、米国の規制当局はすでにビットコイン関連での取締りでノウハウを持っていると指摘。内国歳入庁(IRS)は個人利用者に対して仮想通貨保有量を申告するように要求している他、FBIなどを中心にマネーロンダリングへの取り締まりも厳しくし始めている。
「法律を遵守する個人の金融データは、単純に、アリペイよりビットコインによってより適切に保護される」
バイデン氏は、ビットコインに対して見解を示していない。
ファーガソン氏は、昨年2月、米ハイテク大手のフェイスブックやアマゾン、グーグルが主導で構築するデジタルマネーに対して危機感を示していた。
翻訳・編集 コインテレグラフ ジャパン